「暗い学生時代」を乗り越える
幸せそうな高校生カップル、友達と楽しそうにはしゃぐ中学生…そんな風景を見て憂鬱な気持ちになったことはありませんか?
甘酸っぱい恋愛、友達と楽しむ学校行事、思い出作りのためにプチ旅行!そんなものとは無縁で、仄暗い(ほのぐらい)学生生活を送った人からすると、キラキラと輝いている彼らにずるい、妬ましい、というネガティブな感情を抱いてしまうのは仕方のないことなのかもしれません。また、もう戻れない学生時代に虚しさを感じることもあると思います。
中学・高校生時代に、学生生活を謳歌できなかった後悔を引きずっている状態を「青春コンプレックス」と言います。この状態が長引くと、自己肯定感が下がり、自分や他人の幸せが許せなくなってしまいます。今回は、青春コンプレックスを乗り越え、自分の人生を生きるためのヒントを紹介します。
創作物で青春を楽しむ
映画やマンガなどの創作物には、青春や学園生活をテーマにした作品がたくさんあります。自分の好きや理想を詰め込んだ作品で、青春を楽しんではいかがでしょうか。創作物は、設定やストーリーも自分好みのものを選ぶことができるので、現実のように嫌な思いをすることがありません。主人公に感情移入するのも、自分に置き換えるのも自由です。甘酸っぱい恋愛も、スポーツで活躍することもできます。
また、自由度の高いゲームもおすすめです。近年話題になった「あつまれ どうぶつの森」、「Minecraft」などのクリエイティブ系から、シチュエーションが選べる恋愛ゲーム、生活シミュレーションゲームなど、挙げればきりがありません。最近はVR技術も進化しているので没入感もより得られます。
理想の青春をテーマに動画を作成したり、流行のスイーツやスポットの写真を撮ってデコレーションしたりと、自分で何かを作り上げてみるのも楽しそうですね。
大人の青春を楽しむ
過ぎ去ってしまった学生時代には戻れませんが、大人になったからこそできることもあります。制限があった学生時代とは違い、お酒も旅行も楽しめますし、お金の使い道も自由です。学生時代にやりたかったことを再現することで青春気分を味わえます。SNS上で同じ思いを抱えている人を募り企画を立ててみるのもいいですね。
- 廃校をリノベーションした宿泊施設…調理自習、天体観測、肝試し、枕投げ、恋バナ、リアル脱出ゲーム
- キャンプ場…釣り、ハンドクラフト、キャンプ設営、自然観察、ハイキング
- 修学旅行…旅のしおり作り、写真を撮る、カードゲーム、街を探索する、芸術鑑賞、ご当地グルメやスイーツを堪能する
- その他…学校給食が食べられるカフェ、人をレンタルできるサービス、シチュエーションカフェ
童心に帰って、小さい頃に好きだった遊びやマンガを堪能したり、駄菓子屋さんで大人買いしてみるのも面白そうです。
過去を受け入れ今を生きる
楽しそうな学生たちを妬んでも、自分の青春時代を嘆いても、過去に戻ることはできません。もし、今から学生時代をやり直せたとしても、本当に心から満たされるのでしょうか。ナイーブで感性豊かだったあの頃と、大人になった今の自分。そこには何かしらの見えない隔たりがあると思います。
創作物は生きる希望や現実への緩和剤になってくれます。それが心の支えになっている人もいると思います。ただ、現実から目をそらしたまま、欠けてしまった心を虚構で慰め続けていても、いずれは虚しくなるだけです。いつか必ず現実と向き合わなければいけません。
私たちがSNSやマスメディアで見ている「キラキラした青春」は、「誰かの理想・憧れ」なのです。テレビや雑誌は創作物で、理想や好きを詰め込んだスクラップブックのようなもの。また、人生を謳歌して悩みなんてないように見える学生やセレブも、実際は葛藤や苦悩を抱えているかもしれません。
場面緘黙の関係で、おすすめされた『小学生日記』
僕は「あとがきに替えて」が特にお気に入りです。
華恵さんは、文章の才能はもちろんのこと、とても読書量が多かったんじゃないかなあと推測。
本を書きたいという長男(中1)に、この素敵な本を渡そうと思います。 pic.twitter.com/749bJS7i1x
— なおやマン🚀sakumo佐久市子ども未来館館長(島崎直也) (@naoyaman) November 11, 2021
ポテトサラダを作ると必ずhanae*(華恵)ちゃんの「ポテトサラダにさよなら」って作品を思い出す
当時小6の華恵ちゃんの作品に惚れこんで、小学生日記を熟読して彼女のエッセイや番組、写真集も見た
そんぐらい好き pic.twitter.com/baiOYRX4gk— すくってごらんに恋するきなこ🐠 (@Rock_no_teigi) November 15, 2016
学生時代に青春できなかったことを嘆く人もいるでしょう。しかし、その青春と引き換えに得られたものもあるのではないでしょうか?辛い思いをしたからこそ共感できること、何かに逃げ続けた過去…それがどのようなものであっても、今の自分を形作る大切なものだと思います。
自分の過去に囚われ苦しむより、今この瞬間を大切に生きていきたいですね。
青春とはもともと暗く不器用なもので、明るくかっこよくスイスイしたものは、商業主義が作り上げた虚像にすぎない。
引用:星新一『きまぐれ博物誌』 [角川文庫]