池澤夏樹、訳本を読み
1953年 初版の訳は内藤櫂。2005年に出版された際の訳は池澤夏樹。
星の王子さまはヒロインとして書かれている。
心を表現し、やり場の無い悲しみや憂いを抱いた生命あるものの救いとしてのヒロイン。
私にとって星の王子さまは、人間味の溢れる友人としてより親しい友達としての感覚。
星の王子さまは、ひとりぼっちである事の意味合いを求め旅をした。
それが当本のヒロイン、星の王子さまのストーリー。
私が感じた思い
私は自分を そして周りを理解する努力をしているだろうか。
人は成長するにつれて
「大人というのは変だな」
という疑問が消えていく。が、その疑問を抱いたままだとそれはそれで問題があるように思う。
私自身も「大人というのは変だな」
との考えと遭遇する時がある。
私は自分を理解しているつもりでも周囲の人には不可思議に見えている部分があるのかも知れない。病気が起因しているのか、単なる我が儘か。毎日が新しい出会いの繰り返しであるとの気持ちを忘れない事は大切かな。
人は気付かないところで誰かの役にたっているのかも知れない。ただ、常に役に立っている訳では無い事も事実である。与えられた仕事に対して自信を持つ。自分の仕事が「すてき」と思えた瞬間に、その仕事に対しての役割を見出した事になるのでは無いかと想う。
更に、ゆっくりと歩く事の大切さについても考えてみた。4歩で1周。それを 5歩で1周歩いてみるとどうだろう、と。4歩で1周するところを5歩で1周してみると心にゆとりが生じる。が、時間は過ぎて往く。その時に能率と効率について想い至る。以前の4歩に戻ると、また忙しくなる。このリフレインが自分の時間や歩み方の自己解決力の力となるのかも知れない。
星の王子さまは旅を続ける中で考えた「誰が自分を必要としてくれていたか。
必用としてくれている人や事柄を決めるのは「相手では無く自分自身の心で決めること」であるのかも知れない。肝心な事は目に見えないのかも知れない。
星の王子さまが語った言葉に「大切な真理を人間は忘れている」と。気付く事、気付かない事。それを 星の王子さまに教えてくれたのは旅の中にて出逢った、人、花、風景、すべての出逢いであった。
私には「出来ます、頑張ります」と宣言する癖がある。が、挫折した時に責任転嫁してしまう。
今、私は障害者。苦手な事は1日4回、服薬をすること。その時に自分に対してやるせない気持ちになる。が、服薬する事で在宅にて就労が為せている事は私のゲンジツ。私を支えて下さる医療関係者、福祉関係者は健常者である。その方々が話す時。納得のいかない話題であれば猛烈に反発をしてしまう。私の気持ちは置き去りのままなのかな、と。今、支えて下さっている王子さま、王女さま(スタッフ)に感謝している。が、気持ちを伝える事が難しい。
本当は独りは大嫌い
独りが好きよ、気楽さと。が、胸中は悲鳴をあげている。旅に出ようと支度をして躓く。心のオアシス、本当はもう、与えられているのに。急がなくても良い、ほんの少し立ち止まり待ってみる。きっと声をかけてくれる人がたくさんいるはずだから。が、待つだけでは無く想いをきちんと話さなくてはならない。星の王子さまのように隣で寄り添ってくれる人たちがたくさん居るはずだから。
星の王子さまは愛情の伝え方、愛の求め方を示唆してくれる
自己中心に過ごしている私。時折、『星の王子さま』を取り出して、その時々に書き込んだ文字を見つめ直してみる。もっと、周りを見渡し相手について配慮する心を抱いて過ごす力を身につけなければいけない、と痛切に感じる。受け取るだけでは無く、何かを与える力をいつの日かは私も持ちたいと、ささやかな願いを胸に潜ませて、そっと本を閉じる。
今夜も夜空を見上げる。星が出ているかな、と。
王子さまは、今、何を私に告げているのかな、と・・・
『星の王子さま』
2005年 8月31日 第1刷
2014年 6月7日 第25刷著書 アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ
訳者 池澤夏樹発行者 加藤 潤
発行所 株式会社 集英社
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