20年の時を超え、伝説的ハック・アンド・スラッシュDIABLO2が復活!
私が最初にDIABLOシリーズに触れたのは1995年、ちょうどDIABLOの1作目(以後、DIABLO1と表記)が出た年でした。友人にノートPCを買わないかと言われ、買ったついでについてきたのがDIABLOとの出会いでした。友人宅に集まってLANを介してのパーティープレイに興じていた、古き良き時代でした。今でもRINGの落ちる”キーン”という音は忘れられません。後のDIABLO3でも登場するOBSIDIAN RING of the ZODIACを掘る(敵を倒して落とす装備を回収する)作業に没頭していた20代前半でした。
それから4年後の2000年、満を持してDIABLO2は発売されました。日本語版も発売され、その奥深いゲーム性と、目的の装備を探す楽しさ、そして、インターネット上でのプレイの楽しさと問題点を浮き彫りにしたまさにネットの光と闇を見せてくれたゲームでした。
そして、20年以上の時を超え、DIABLO2は文字通り復活(RESURRECTED)しました。だいぶ前から公式よりアナウンスがあり、今か今かと待ちわびた旧きユーザーと、当時話題になったゲームを楽しみたいユーザーを巻き込んで2021年9月24日に発売されました。私も記事を書いている段階でようやくアサシンで難易度HELLのDIABLOを倒したところです。どんなに強くなっても少しの不注意で即死するのが緊張感があり、また、場所によっては出オチ(洞窟などマップが切り替わる瞬間に襲撃されている現象。場合によっては”詰み”です)の可能性もありますので、非常にスリリングなゲームプレイができます。
のちのRPGに多大な影響を与えた、DIABLOシリーズ
DIABLOシリーズはのちに、DIABLOクローン・DIABLOライクというジャンルが確立されるくらい、後のゲームに多大な影響を与えました。敵を倒し、装備を整え、より強い敵に立ち向かっていく。それを延々と繰り返すゲームです。また、古いゲームゆえユーザーフレンドリーにできてはいないので、本当にすぐ死にます。しかも比較的早い段階からです。そして、あれもこれもと平均的に育ててしまうと、器用貧乏になってしまい、高難易度で”詰み”になることもあります。ステータスの振り直しも用意はされてはいますが、何度もやり直しながら自分にあった職業やスキル構成、操作スキルを磨いていく必要もあり、それに見合った装備を探したり、作ったりする必要も出てきます。このあたりが、このゲームの中毒性の一つにもなっています。
それでも、DIABLO1よりはだいぶユーザーフレンドリーになったと思います。なにせ、DIABLO1はキャラクターが死亡すると、持ち物すべてをその場に落としてしまいます。そして、回収不能の場合はすべての装備を失う事になりました。DIABLO2では死亡した場合、その場に死体とゴールドを落とし、死体を回収することで装備は復活できるようになりました。回収不能の場合も、ゴールドは失いますが、一旦ゲームを終了して再度ログインすると、始まった場所に場所に死体が出てくるため、装備のみは回収できるようになりました。この点は、だいぶユーザーフレンドリーになったと言えます。
当時はやっとインターネットにADSLなどのブロードバンド回線が登場した時期でした。まだまだダイヤルアップ回線も現役でしたし、私の当時の回線はケーブルテレビ回線の下り/上り1Mbpsで、これでも十分速いと思っていた時期でもありました。ゲームに関する情報も手探りだったり、海外のネットの情報を拾ったりしていました。今は世界の先人の知恵の結晶が各wikiサイトにあります。チャットも日本語版でも日本語での入力ができず、ローマ字または英語(しかもネットスラングや略語もあり)でのやり取りで、なかなかに敷居の高いものでした。
残念ながら私は当時別のオンラインゲーム(ファンタシースターオンライン)をやっていたため、ソロで遊ぶ機会がほとんどでしたが、友人はどっぷりとハマっていて、当時の私の家に数週間居候していたのを覚えています。20年たった今、オンラインでその方と遊んでいるのですが、当時の笑い話などで盛り上がりました。そして、「結局DIABLO2が丁度いい」という結論になりました。
DIABLO2がもたらした光と闇
先にも述べましたが、インターネットでのゲームプレイの光と闇を浮き彫りにしたDIABLO2。光はもちろん、多人数で遊ぶ楽しさをおいて他にはないでしょう。全世界のプレイヤーと同じサーバーを介して同じゲームを遊ぶ。それはもう並ぶもののない楽しさでした。これは今日のオンラインゲームにおいても変わることのない楽しさだと思います。
しかし、一方で闇もありました。これも今でも変わらないですが、チート行為、BOTとRMT(リアルマネートレード)の問題、ラグの問題などでした。
これらの問題は規約違反であったり、そのゲーム本来の楽しさをショートカットしてしまい、楽しさを損なってしまう問題でした。一部ではDUPE(複製)品が流通して、通貨として使える高級なアイテムなどを支払って手に入れたプレイヤーがDUPE品を掴まされ、次のログインのときには買った装備などがまるまるなくなっていたりと、数多くの問題も起きました。これらは修正されたものもあれば、今でもオンラインゲームの重要な課題となっているものもあります。
また、海外のサーバーにアクセスするので、通信時間も長く、敵の落とすドロップ品などもすべてのプレイヤー共通であったため、海外勢に先に取られるケースがほとんどで、高級品が一瞬見えた日には悔しい思いをしていました。ドロップ品を巡ってゲーム上やネット上で喧嘩などもありましたし、以後のオンラインゲームではドロップ品も個人個人で出るようになり、このあたりは徐々に改善されていきました。
変わるもの、変わらないもの
DIABLO2 RESURRECTEDは、当時のユーザー体験を忠実に再現するべく作られています。なので、新しく始める方には古臭く、不便に感じるかもしれません。しかし、本家DIABLO2のバグなども再現されていたり、リマスターされた画像でも昔の画像でも遊ぶことができ、その画像の懐かしさもまた旧プレイヤーには感動させられるものでした。私はPS4版をプレイしているのですが、現時点ではアジアサーバーしか利用できず、利用者も多く、午後8時~午後10時あたりのコア時間帯は800人を超える順番待ち(キュー待ち)が発生しています。しかし、この問題も以前からあることなので、なれきっている人には問題ないかと思います。また、スマートフォン用向けでDIABLO初のMMORPG・DIABLO IMMOTALや、最新作となるDIABLO4のアナウンスも出ていて、まだまだDIABLOの世界は続いていくのです。DIABLOファンとしては、楽しみで仕方ありません。
自分自身の環境も周りの環境も、20年経ち大きく様変わりしました。私が当時足繁く通っていた西鹿児島駅周辺も、駅は鹿児島中央駅になり、駅周辺も再開発で大きく様変わりしました。高校から通っていたゲームセンターもすべてなくなりました。その中で、当時から営業しているカレー店に立ち寄ったのですが、当時と変わらない味にただただ昔を思い出し、感動するばかりでした。しかし、確実に世の中は変わっていっています。変えなければならないものも、変わっていくものも、変わらないものも、変えてはいけないものもあります。今では普段の生活様式もだいぶ変わってしまいました。いきなり変わることは難しいことですが、少しずつ見識を増やして見極められるよう、そして、楽に生きられるように頑張っていこうと思います。
ディアブロをプレイしていて最も辛かった死を教えてください。#Diablo2Resurrected #ディアブロIIリザレクテッド pic.twitter.com/5d2KBuP621
— ディアブロシリーズ公式 (@playdiablo_jp) October 7, 2021
儚く散っていった大勢の英霊たちに敬礼ッ!