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国民病といわれる花粉症 軽んじず理解してほしい

花粉症歴50年の花粉との共生

毎年春になると花粉症に悩まされる方も多いのではないでしょうか?今年はやや早めに花粉に反応していると感じた方も多いようです。
くしゃみをすれば感染症かと周りからにらまれるし、身体はダルい。油断するとタラーンと鼻水がタレ落ちたり、鼻が詰まったままになって眠れなかったり、鼻声で喋りづらくなる。マスクはすぐに濡れて息が苦しくなるし、熱っぽくなって頭痛がする。目・鼻・喉・顔・頭皮のかゆみや痛み、鼻をかんだ跡のヒリヒリ。とにかく生活の質や集中力が低下します。その症状は数日で治まるものではなくて、風邪のほうが楽なんじゃないかと思うほどです。

私も耳鼻科のスクラッチ検査では、スギ・ヒノキ・ブタクサ・ヨモギ・シラカンバ(白樺・ヤナギ)などに反応することが判っています。それぞれの飛散時期がズレてやってくるために、50年の人生のほとんどを花粉症とともに生きています。
「花粉症」といっても、原因となる花粉の種類は様々です。日本国内で多く飛散しているといわれている「スギ花粉」と「ヒノキ花粉」について、そして私自身が花粉症で辛いこと、受けている治療や実践している対策をまとめます。

さまざまな花粉の種類と時期

日本で春先に症状がでて「花粉症」と呼ばれているものは、おもにスギ科(1月〜5月頃)とヒノキ科(2月〜5月頃)の花粉へアレルギー反応を起こしているものといわれています。
しかし、カバノキ科のシラカンバ(4月〜6月頃)、ハンノキ属(1〜4月頃)、イネ科のカモガヤやホソムギ(4月〜11月頃)、キク科のブタクサ属(8〜10月頃)、ヨモギ属(8〜10月頃)、アサ科のカナムグラ(8〜10月頃)など、年間を通して何らかの花粉が日本中で飛散しています。
同じ国内でも地域の環境により成長しやすい植物が違うため、花粉が多く飛散して花粉症を起こす原因となる植物にも違いがあります。日本は南北に長い島で気候もさまざまなので、お住まいの地域にどのような植物が多く生息しているのかを知ることも大切なアレルギー対策の一つです。またその植物の生育時期の気象条件により、毎年花粉が飛散する時期は変化しています。

スギの花粉症について

スギの花粉は、春は楽しみだけど花粉症が心配…という方も多いと思います。
症状を実感する時期には個人差があると思いますが、私の場合は平均して1月の中旬には症状がでます。早い年には正月明けくらいに鼻水がタラーと出て、スギ花粉の時期がやってきたことに気が付きます。2021年も1月中旬には、外出時のマスク内で鼻水が流れていました。症状の出始めのサラッとした鼻水や目の重いかゆみは、何度経験してもキツくて困ります。

スギの木は、戦後の木材不足を解消するために多くの天然林が生長の早いスギに植え替えられて、スギの人工林が増加したこと、そして地球温暖化や都市のアスファルト化などの環境破壊が原因だといわれています。
私は東京都と神奈川県の境目で育ったので、ちょうど東京都下に植樹されたスギが生長し、安定してたくさんの花粉が飛んでくる時代と地域で、早くから花粉症の症状がでていました。私の幼少期には、まだ「花粉症」という言葉は知られていませんでした。鹿児島へ移住してからのこの数年は、以前よりもスギ花粉への反応は少し楽な印象です。その代わりに一年を通して、なにかしらの植物へ反応しているようです。

ヒノキの花粉症について

ヒノキの花粉は、飛散時期がスギ花粉の飛散時期と重なるために自覚しづらいのですが、スギ花粉症の約7割がヒノキ花粉症でもあるといわれています。反応が重なると重い症状になる場合もあります。いままでよりも今年はスギ花粉が長くてツライ!と感じたら、ぜひ医療機関でご自身に合った検査を受けて、どのようなアレルギーを持っているのか調べることをおすすめします。原因がハッキリとわかると、それに合わせた対策も検討しやすくなります。

私は他にも、花粉が関係無いはずの新しいヒノキ風呂、森林の香りの入浴剤、ホームセンターの木材コーナーでもくしゃみや鼻水が止まらなくなります。知り合いにも何人か同じようなことを体感している人がいるので、もしかしたらスギ花粉以外の何かへ反応して困っている方も多くいらっしゃるのではないかと思っています。

花粉症の治療や対策について

花粉症のつらい症状は「くしゃみ・鼻水・目のかゆみ」だけではなく、勉強や仕事の集中力低下や眠気、喉の痛みから風邪を併発、鼻が詰まって眠れない、身体がダルくて痛いなど、生活全般へ大きく影響します。
くしゃみは周囲からの視線も厳しく、自分のマスクの中は湿気を帯びます。さらに鼻水も流れてマスクは濡れ雑巾状態になり、呼吸が苦しくてマスクを外したくて仕方なくなります。花粉症は体調の悪い期間も長く、症状もさまざまでとてもつらいものです。

花粉症の治療と対策

私は子供の頃から市販のアレルギー性鼻炎の薬、アレルギー性結膜炎の目薬を使用していました。すでに花粉症がひどい段階でダルいのですが、服用でいつも気だるさのある小学生でした。いまは眠くならないタイプ、作用時間が長い薬もいろいろとありますが、40年以上前は選択肢がほとんどありませんでした。
私はアレルギー反応を起こす物質が多いために、免疫療法は受けていません。現在は市販薬は飲まず、内科で処方されている抗アレルギー薬を毎日飲み、眼科で処方されるアレルギー性結膜炎用の点眼薬を使用しています。飲み薬は、保険診療で3年くらい前に処方可能になり、副反応が少なめといわれている薬を使用しています。お薬も年々進化していくので、症状にあった薬を病院で処方してもらうと副反応が少なくて良いと思っています。抗アレルギー薬を年間を通して飲んでいても全く症状が無い状態にはなりませんが、予防をすることで多少は楽になっているのではないかと感じています。

目のかゆみには目薬

目のかゆみには目薬をさすことが有効ですが、使用する薬や回数には注意が必要です。市販の防腐剤が入った目薬よりも防腐剤の入っていないもの、可能であれば眼科でだしてもらえる状態に合ったアレルギー専用の目薬を使用するほうが、目への負担は軽減されます。私が処方されている目薬は、1日4回、寝る5分前まで使用できます。かゆみがひどい時に使うというよりも、時間を決めて予防として使用しています。市販のスッとする目薬や目をシャバシャバまるごと洗う液体タイプのものは、私の場合は目への負担が大きいために眼科から使用しないようにいわれています。

マスクでの対策

花粉症は、マスクを着用することが大きな予防になるといわれています。感染症対策でマスクをする生活が当たり前となり、苦手なマスクの着用を我慢している方も多いと思います。私も花粉症でありながら、マスクが非常に苦手です。すぐに鼻水で濡れて呼吸が苦しくなり、接触性皮膚炎で顔にかゆみが出るためです。かゆみが出にくいマスクを何枚か持ち歩き苦しくなってきたら乾いたものへ交換する、マスクスプレーでスッとした香りをつける、顔のマスクへの接触面には摩擦による乾燥やかゆみを防ぐバームやワセリンを一日に何度か塗り直す、このような工夫でなんとかマスク生活を乗り切っています。

メガネでの対策

花粉症の時期は、できるだけレンズの大きいメガネをかけて移動しています。日差しが強くなる時期でもあるので、UVカットとブルーライトカットが入っているメガネをサングラス代わりに使っています。マスクと併用するとメガネが曇りやすいのですが、眼科で習ったマスクの着け方(マスクの上の部分に隙間を作らない)や曇り止めを使用しています。メガネの使用で目のまわりを触る回数を減らし、目のゴロゴロを感じる頻度が少なくなり、紫外線による刺激での目の痛みも軽減されていると実感しています。フレームと顔の隙間からの、花粉の侵入を防ぐように作られたメガネも出ています。デザインもゴーグル風からメガネに近い見た目へ改良されているので、目のかゆみ症状が強い方は検討されてみてはいかがでしょうか。

のど飴をなめる

花粉症では、喉が痛くなる方も多いです。
私の場合は、くしゃみや鼻詰まりで話しづらくなって炎症を起こした喉へ鼻水が流れ続け、さらにひどい炎症を起こして喉が腫れたままの状態になります。スッとするのど飴をなめていると鼻や喉が楽に感じるので、ハーブなどのスッとするタイプを中心にいくつかの種類を用意しています。ただしノンシュガーの飴でも、一日中なめていると食欲が落ちてしまうので、使用量には気をつけたほうが良いと考えています。

はちみつで予防

花粉症が原因で喉から風邪症状を起こしやすい方には、早めにハチミツやマヌカハニーの抗菌・抗炎症作用での対策をおすすめします。

私も喉の痛みが出そうな時には、早めにハチミツを食べたり、喉へシュッと吹きかけて使うマヌカハニーのスプレーを使用しています。スプレータイプは外出先はもちろんのこと、枕元に置いて寝起きに使うととても便利で有効です。

日常生活での対策

普段の生活のなかでも、極力花粉を避ける工夫が大切です。
外出時のマスク、メガネ、帽子、服装もなるべく花粉の付きにくい生地のものにして、家に入る前に洋服や髪の毛に付いた花粉を払い落とす、家に入ったらまず手洗い、うがい、洗顔をする。洗濯物はできるだけ外に干さずに屋内干しにし、布団も外に干した場合は掃除機で花粉を取り除くのが良いといわれています。もちろん全部しっかりとできないのですが、思い出したときにできるだけとり入れています。アレルギーの原因であるヒスタミンを抑える成分が含まれるといわれる、ルイボスティーやエリンギ・舞茸などのきのこ類も、年間を通して意識して摂るようにしています。

花粉症まとめ

花粉症は、あるとき突然なんの前触れもなく発症します。花粉症もアレルギー反応の一種なので、誰でも突然発症する可能性があります。花粉症に良いといわれる栄養剤などの食品やお茶、家電、スプレーなど、対応商品も年々新しいものが出ています。自分に合った継続できるものを選び、少しでも症状を軽減させて共生してくことも大切だと思っています。

花粉症を発症したと感じたら、早めに医師に相談して適切な検査と治療を受けること、自分でできる対策をとり、睡眠と栄養もしっかりとって良いコンディションで日々を乗り切ることができるような工夫を続けること、さらに周囲からの花粉症への理解も高まることを願っています。

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