香りを楽しむだけではない、気軽に楽しんでほしいアロマの世界
アロマテラピーやアロマセラピー、略してアロマという言葉を聞いたことはありますか?
アロマテラピーはフランス語のaromathérapie、アロマセラピーは英語 のaromatherapyが由来です。
アロママッサージという言葉でご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
日本国内では1980年代に香りを楽しむリラクゼーション法として、「英国式アロママッサージ」が紹介されてから、アロマ商品も目にするようになりました。
同じ頃、「ハーブティー」という、植物を乾燥させたお茶、とくにカモミールティーやローズヒップティーといったものがお土産品などでよく知られるようになりました。このハーブティーが苦手で、私は長いことアロマやハーブの香りに抵抗がありました。
生活の木という企業が早くから日本でのアロマの普及に尽力されていますが、無印良品に行くと必ずあるアロマコーナーが初めてのアロマとの出会い、という方も多いのではないかと思います。私もあの霧の中で「なんだかとても穏やかで気持ちが良い」と感じたことから、少しずつ抵抗がなくなり、自分の生活にアロマが溶け込むものになっていきました。
いまでは自分でアロマの元になるハーブを育てるほどになりましたが、最初は興味があっても安くはないし、何から手をだして良いのかもわからず、失敗もしました。
その経験から、気軽にアロマ生活を始める際のポイントをいくつかまとめます。
ざっくり
アロマってなに?
アロマの商品では、植物を精製して抽出された「精油」が使われます。
聞いたことのない外国の植物をつかっているイメージがあるかもしれませんが、日本でもよく知られている、ユズやヒノキ、ハッカ(ミント)、グレープフルーツやオレンジ、ローズなども使われます。
北海道のラべンダー畑をご存知の方も多いかもしれません。とくに日本で人気が高いのが、ラベンダーを使用した製品です。
元々は西洋の植物、いまでは和製の植物もまとめて、さまざまなアロマ製品が作られています。
歴史と実績のアロマ
アジアの漢方の歴史とおなじように、西洋でも植物を使う知恵が引き継がれています。
フランスでは植物療法(フィトテラピー)として、大学で薬剤師と同じように勉強することができます。
日本の歴史上でも和製ハーブとして、冬至のゆず湯をはじめとした「薬湯」、古事記、日本書紀や万葉集にもさまざまな薬草の効能が記されています。
植物自体に様々な効果・効能があり、香りをかいで気分転換をするだけではなくて、飲用や塗付が可能な製品もあります。比較的、値段が安めのものは香りを楽しむための製品であることが多いのですが、混在しているので購入前によく確認してください。
体調に合わせて使いわけると、とても便利です。
道具を揃えなくてもはじめる方法
高いものを色々と揃えなくても、好きな精油をティッシュに数滴垂らして置くだけで充分に楽しめます。私はいまでもドラッグストアで買ったハッカ油をティッシュに3滴つけて、枕元において眠っています。身体の痛みで眠れず、入眠に時間がかかっていたのが、鼻も通って呼吸も楽に早く眠れる日が多くなりました。痛みの鎮静効果があるそうです。でも目を覚ます効果もあるので、私が使うのはあまりキツくなく、甘めの香りで自分が落ち着くハッカ油のメーカーのものです。
手軽に試せる無印良品のアロマ製品
以前はなんでも薬で対処していましたが、この数年は薬を最小限の使用にしたいと思い、アロマ製品も併用しています。
最初は無印良品のエッセンシャルオイルで、グレープフルーツ(柑橘系は気分が明るくなる)やユーカリ(花粉症にも有効な軽めのスッとした香り)を、小さな素焼きのアロマストーンに数滴ずつ垂らして使い始めました。
今は無印良品のアロマコーナーで霧を出している、例の縦長のアロマディフューザーも併せて使っています。とくに乾燥した冬に寝室で使うと少々の加湿もされ、ほのかなライトとタイマーがついているのでとても便利です。
ラベンダー(心の鎮静効果)と先ほどのハッカ油、柑橘系、ユーカリ、この4つから使用するときの目的に合わせてブレンドして使い分けています。ブレンドといっても、2滴くらいずつたらして使うだけです。
無印良品の店舗では各ディフューザーで使用されているブレンドの内容もかいてくれていますし、エッセンシャルオイルのサンプルをじっくり自分のペースで試すことができるので、アロマ専門のお店よりも自分で好きな香りを選びやすいと思います。小さなビンで長くもちます。
すでにブレンドされた製品もあります。
香りの選び方
アロマやハーブ製品を選ぶ際に一番大切なのは、一言で言うと「好きか嫌いか」です。
一瞬で「うわっ」と顔をそむけるものは、購入しても使う機会が少なくなり選択肢には入りません。
ゆっくり嗅いで、「あ、苦手なものが残る」と感じるものは、いまの自分には合わない香りという判断で良いと思います。
長く嗅げば慣れることを前提に、効能だけを期待して買っても使い切らないものです。そして香りで選んだものが、いま自分が必要としている効能をもっていたりするものです。
同じ香りでも、産地や品種、メーカーの違いで、全く違う香りに感じるので注意が必要です。
可能な場合は実際に香りを試してから購入し、香りの強さや使用感もしっくりくるものを見つけていくと良いと思います。
香りを楽しむだけではなくてマッサージもしたい
私はマッサージには、ペパーミントやラベンダーをホホバオイルで希釈した製品を使用しています。いまはマークスアンドウェブのハーバルオイルです。
痛みが気になる時にはペパーミント、お風呂上がりや映画をみながらゆっくりリラックスしたいときにはラベンダーを使用しています。時間が無いときも、首や鎖骨をかるくさするだけで、ずいぶん気分が良くなります。
力を入れずにマッサージできますし、肌も潤うので気に入っています。
肌に直接つかって良い製品かどうかは、メーカーごとに基準が違うので確認が大切です。
鹿児島には日本初のハーブ園も!
ここ最近、アロマ製品が好きな人たちのあいだで話題なのは、鹿児島の「辺塚(へつか)だいだい」を使用したEUDITION のオイルです。
フランスの大学で植物療法を学んだ方が監修している製品で、香りだけではなく「辺塚だいだい」の果皮や枝から抽出されるエキスには、皮脂バランス調整作用や皮膚強壮作用があり、その効果が期待されています。地域活性化を含めた事業内容を、クラウドファンディングで実現した製品です。
そして鹿児島の指宿には、日本で初めてできたハーブ園があります。
鹿児島のみなさんには、もっとハーブ産業に力を入れてほしいと願っています。
私も鹿児島に住むようになってから、バジル、ローズマリー、シソ、タイム、ミント、ルッコラ、ディル、パセリなどを育てています。比較的、ほったらかしでも元気に育ち、土地の気候や土壌にあっているようです。
ハーブを育てていると、ちょっとベランダから取ってきて料理に使用したり、生でハーブティーにしたり、デザートにミントを飾ったり…と便利で楽しいものです。
栄養価も高いので、ぜひ様々なハーブが、安く市場にも出まわるようになって欲しいです。
生活にアロマを取り入れて豊かな気持ちに
ハーブ類が苦手なかたでも、ユズの香りの料理でリラックスしたり、ヒノキ風呂が好き、と知らぬうちにアロマに馴染みがある方も多いのではないかと思います。
機会があればぜひ、アロマをとりいれた生活、気軽に楽しんでみてください。