「クローン病」という病気をご存知だろうか?
口から肛門までの消化器官で原因不明の潰瘍や狭窄を起こし、特に小腸や大腸に病変が起こることが多い難病である。個人差にもよるが、腹痛があって発熱を繰り返したり、食欲不振になったり、体重減少、下血も引き起こす。10代〜20代に発症することが多く、肛門病変(痔瘻:ぢろう)になるのも特徴の一つだ。日本でも年々増加しており、最近では発症人数も4万人を超えたとのこと。
多機能トイレを利用するたびに冷たい視線を浴び続けてきたクローン病を持つ10歳のグレイスさん、障がいは必ずしも目に見えるわけではないということを知らせるために独自にサインを考案し、スコットランド政府に認められました。 pic.twitter.com/P2mimdIbok
— Chihiro (@chivillain) August 30, 2016
スコットランドでは、見た目にはわからない障がいを抱えていることを示すサインとして、クローン病をもつ10歳の女の子の考案したサインが認められるなど、国を挙げて配慮に力を入れている。
このクローン病は、まだ完治する治療法はなく、寛解と再燃を繰り返し入院生活をする。腸を休めるため、食事に気をつけなければならない。個人によって治療法は異なるが、まず絶食生活が始まり、IVHという高カロリー輸液を投与するカテーテルを首の周りから注入する。または「エレンタール、エンシュアリキッド、エネーボ」という高カロリー栄養剤を飲む人もいる。
時代は進み、抗TNF製剤(レミケード、ヒュミラ)が寛解導入維持療法として始まっていて、その他に白血球除去療法などと色々な治療法や治療薬の開発が現在も進められている。
この「クローン病」の一番辛い事は見た目では分かりづらいということ。
今回、ある一人の若者がクローン病を理解されない辛さをFacebookに投稿したという。
イギリス、ヨークシャー州に住むステ・ウォーカーさん(24歳)は、今回、Facebookにクローン病が世間に理解されにくい辛さを告白しました。服を着ていると健常者と変わりなく見られてしまうために、難病患者であることを示す「ブルーバッジ」をつけていても批判の目で見られることがあるというウォーカーさん。ウォーカーさんは、腸だけでなく肝臓や腎臓などの消化器系に問題を抱えていて、これまでに手術を何度も繰り返してきました。ほとんどを病院で凄し、日々痛みと闘っているというウォーカーさん。でも、見た目にはわかりにくいために公共の場で障がい者用トイレを使ったり、障がい者用のスペースに駐車したりすると文句を言ってくる人もいるそうです。「僕は、服を着ていると他の健常者と変わらないように見えるんだ。僕自身がそれを望んでいるっていうのもあるけれど。でもブルーバッジを悪用しているって批判されるとさすがに辛いね。」
確かに見た目が「普通」だと、お店の従業員や警備員の人から「おいおい」と突っ込まれる可能性はゼロではないだろう。病気を説明するのも理解を求めのも大変でだ。さらに、ブルーバッジの悪用を疑われる。「僕、難病なので」と普通に答えたところで、それを信用してくれる人は少ない。なぜなら見た目が普通だから。
そしてウォーカーさんはなんと自分の闘病生活を写真で公開したのである。
画像引用: Daily Mail Online
付き合っている恋人も、ウォーカーさんと一緒にいる時に公共の場でクローン病を理解できない人に非難されたそうです。今回、ウォーカーさんはこれまでの辛い胸の内をFacebookに綴りました。「見た目で人を絶対に判断するべきじゃないよ。」この投稿に1万5千件もの「いいね!」と5千件ものシェアがあったそう。
自分の体に色々な装具や管が繋がれている所を他の人に見せるという行為はさすがに恥ずかしくて簡単にできるものではない。ましてやウォーカーさんは24歳とまだ若いので、同じ年頃の人も観るのを覚悟して公開したのだろうと思う。この多くの人からの反響に、クローン病患者の方や、パートナーがクローン病の方は勇気や元気をもらえたのではないだろうか?
日々、痛み止めとその他の内服薬を服用しているウォーカーさん。辛くて立ちっぱなしでいられない時もあるそうです。でも、来年2月には恋人との間に第一子が誕生するそう。「普通の人と変わらない生活をできるだけしたいんだ。」そう話すウォーカーさん。
体調が寛解な時期は普通な人とほとんど変わりない生活をしていけるクローン病。しかし、再燃すると酷い時には入院、時には手術も必要になり大変苦労するクローン病。
ウォーカーさんがおっしゃっているように「普通の人と変わらない生活をしたい」はクローン病患者が誰でも思うことだ。
ここまで一気に語ったが、著者もウォーカーさんと同じ「クローン病」患者である。見た目が普通なのでどのように理解してもらうかを考えさせてもらえた告白であった。
僕も今では「クローン病」の事を誰にでも話している。
恥ずかしいとか言いにくい、そういった考えは今は全くない。一人でも多くの人に理解してもらえるなら…と、ウォーカーさんと同じ思いで職場の人や友人には話すようにしている。
それにしても、難病を示すバッジ「ブルーバッジ」というのがイギリスにあるとは知らなかった。日本で「IBDマーク」(ダサいか?)とか難病を示すマークとかが出ないのだろうか?
調べてみると、平成26年7月から民間企業も実地する内部障害者を示す「ヘルプマーク」があるが、僕は付けている人を実際に見たことがない。やや赤が派手過ぎる気がするのだが…。正直、これを付けるのは遠慮したいのが本音だ。できるのならもう少しカッコいいデザインを希望する(笑)
画像引用:ヘルプマーク 東京都福祉保健局
年々増加中のクローン病、いつか誰にでも「あー、クローン病なんだ!!分かるよ」と理解される日が来ることを切に願う。
http://spotlight-media.jp/article/210037786683905551
via:SPOTLIGHT
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