受験マニアの血が沸いてきた
私が初めて取った資格は第4級(当時電話級)アマチュア無線技士。取り扱える出力は、割り当てられた全周波数帯で10ワット以下(1.2GHz以上は1ワット以下)でした。当時、高校の受験真っ只中だったのにもかかわらず、勉強の合間にアマチュア無線雑誌ばかりを読み漁りながら、開局後の実務面やハードウェアの製作知識ばっかり膨らんで「おいおい高校の受験はどーすんだよ」状態に・・・
4アマの合格後、ただのお喋りにも飽きてきて、もっと上をめざそうと受験マニアの血が沸いてきました。最初は学科の重複が多い第3級(当時電信級)から。
これから上のクラスはモールス信号の実技試験がありましたが、4級と3級があれば周波数と出力に制限がありはしますが、ミニ2級の扱いになるので取っておいて損はなし。モールスの受信がものすごく難しくて(だってスピードは遅いし途中で音が変わるんだもん)、3回も浪人してしまいました。
試験の告知があるたびに「あーやだな、もう受けるのやめちゃおうかな」と思いながらも、郵便局に行っては高額納税(確か1回4000円)をしちゃうんですね、4週間後に3文字のスタンプが来るのがわかっているのに。
合格。そして、アマからプロへ
ところが、奇跡か採点コンピュータのバグかわかりませんが合否通知のはがきには「合格」の2文字が。天にも上る気分でしたね。中2の春から再び始めた受験勉強。2アマ受験のチャンスは年2回。
中2といえば中2病。どっぷりハマっちまいましたねぇ。モールス信号に・・・これを足がかりに2アマ1アマとどんどんステップアップして、高校は2アマ、大学へは1アマを手土産にして行くという野望にとらわれましたが高校受験もあるし、その年のチャンスはあと1回。電信級じゃ高校のクラブへの土産や貢物にもちとショボい。そこでアマチュアからプロに転向。
無線の世界にもプロ・アマありましてね、しかもスポーツや囲碁、将棋のように勝てば昇級昇段できるわけでfなく、昇級するにはその都度国家試験を受験して免許をもらわないとだめ。
プロはプロでも特殊無線技士から
とりあえず狙ったのは資格数が多く問題も実技があることをのぞけば4アマよりも簡単な特殊無線技士。アマの運用はできませんが警察、消防などの官公署や小型漁船のオペレートができる資格だと思えばほぼ当たりです。
簡単なのでお手軽にハクをつけるために受けるアマも多い、人気の資格でもあります。無線免許は下位互換性があるので、できるだけ上位資格をとるのが有利なのですが、いきなり1技1通という天才は数年に1人出るか出ないかですから、私のような凡人にそれをのぞむべくもなく「できることからこつこつ」作戦でプロはプロでも最下級の特殊無線技士から始めました。
目標は7資格中4資格
当時は「無線電話甲、乙、丙、国際無線電話」「レーダー」「国内無線電信」「多重無線設備」とあり、新設されたばかりの国際無線電話はテキストもないのでパス、無線電話乙は甲を取れば自動的についてくるのでこれもいらない。ということで、受験対象は電話甲、丙、レーダー、多重の4科目。7資格全制覇で第1の野望達成でもよかったのですが、先立つものがないので上位資格にしぼって、あいた時間を高校入試にまわしました(逆やんけ)。
4資格の中でももっとも難しかったのが多重無線設備。TV局の移動中継車や人工衛星のオペレートができる資格です。
これ合格できるんかいな?
でもこれもっとけば自慢にはなるだろうなというユーワクに抗うことができず、出来心で郵便局へ。解答が論文式でこれまで受けてきたマークシート試験とは勝手が違い、とにかく部分点がもらえるようにそれらしき「うわごと」を脂汗をかきながらタイムアップまでねばって書き上げました。合格の最低ラインは60%。部分点だけでここまで取れるか。
やはり完全正答が4割は行っていないと最低ラインにはとどかないだろうな、などと思いながら毎日ポストを覗く日々が続き運命の2週間後、ポストに4枚のはがきが。
3枚当たれば勝率7割5分だからまずまず。2枚でもいいや、と開き直って見てみると4枚完全合格。思わず叫びましたね。「やったあ−!!」
ライフワークとして
学校や仕事が忙しくなって40年近く経ちますが、あの頃のバイタリティがすこしでも残っていればまた挑戦してみましょうか、2アマからでも。