インフルエンザ検査が患者を正しく検出できるのは全体の6割
インフルエンザの患者数が急増し、医療機関は患者への対応に追われています。インフルエンザウイルスに感染し発症すると、39度前後の高熱、体全体の筋肉の痛み、頭痛、咳、鼻水、のどの痛みなど、一般的な風邪より強い症状があらわれます。
病院で38度を超える高熱が明らかとなった場合、インフルエンザが疑われ、鼻の奥から粘膜を採取する簡易検査が行なわれる場合もあります。検査の結果でA型B型ともに陰性であれば、インフルエンザではないことになるはずですが、例外もあるようです。
私は、今年の正月明けそうそうに高熱を出し、病院でインフルエンザの検査を受けました。その結果、陰性ながらインフルエンザとの診断が下りました。それはいったいなぜだったのでしょう?
ツリーを見るとわかる…
「インフルエンザ診断には簡易検査は必須ではないから検査を強要するな」ってことが言いたいのに理解しようともしない人がうじゃうじゃ。
出席停止に必要なのはインフルエンザの診断でありインフルエンザAorBの結果ではない。簡易検査は偽陰性になることもある。— 医療事務さん@アイコン変えました (@iji872) 2019年1月17日
インフルエンザの簡易検査は発症後1~2日は偽陰性になりやすい…じゃあなんでやるんだその検査…
— かじ@逆鱗 (@jkrsskdent) 2014年2月22日
ざっくり
週末直前に出た症状
仕事始めの1月4日、私は出勤しました。仕事を終え帰宅したのは、病院も休みとなる週末土日の直前の夜でした。気管の奥の方から咳がつきあげるような、ムズムズした感覚を覚えたのです。
インフル薬投与は発症直後
症状の現れ始めたのが5日土曜日の午後。風邪などウイルスに感染していることを示す黄色い鼻水が出始め、熱が上がり、体中の筋肉が慢性的な強い痛みを感じ始めました。もしもその日が病院の診察している月〜金なら行きつけの病院に行き、「ゾフルーザ」なり「イナビル」なりを処方されることで、より早く治すことができたのかもしれません。
流行中A型B型ともに陰性
病院に行ったのは週明け月曜日の1月7日。そのころはだいぶ楽になっており、あと数日間安静にしているだけでもこの風邪は治ってしまうと、自分では思っていました。しかし、体が細かく震える感覚が出はじめたので念のため病院に行ってみました。体温計を渡され、測ってみると38.8度と表示されました。自分でも「あれ、こんなに高いの?」と意外に思ったほどです。検査が始まり、鼻の奥を棒で深く突き粘膜を採取した結果は、しかしA型B型ともに陰性でした。
臨床的診断によるインフルエンザ
「検査の結果は陰性でしたが、この検査はインフルエンザ全体の6割程度しか検出できないのです。名人さんの場合、問診で分かった症状から判断し、臨床的な診断から残り4割のインフルエンザにかかっている可能性が極めて高いため、インフルエンザと診断します」と宣言されて、インフルエンザになりました。これが、私にとって人生初のインフルエンザとなります。
インフルエンザの検査は、流行時期にあり、感染の機会があり、臨床症状(発熱、咽頭痛、関節痛などなど)が揃っていれば、必要ありません。
しかもインフルエンザにかかっていても最初の24時間は陰性になることもある(偽陰性)
— み わ (@121kota) 2019年1月23日
ちなみに日本と海外ではインフルエンザの時の対処は全く異なり、検査もタミフルなどの処方もありません。
私は医師に「検査しても結果が出るのは1週間後だよ」と言われて、衝撃を受けました。
簡易検査キットを置いていないのです。その時の衝撃の記事がこちらhttps://t.co/Oioxnlvjkh
— はっしー@ナースのメモ帳 (@nurse84_memo) 2019年1月20日
インフルエンザ検査の限界
私の場合、結局のところ検査は陰性なのにインフルエンザと診断されました。そして、診断されたのにインフルエンザ薬は何も処方されませんでした。なぜ、このような治療となったのでしょう。
簡易検査キット偽陰性
インフルエンザが疑われながら、簡易検査キットで陰性が示された患者がもう一度検査して陽性を示しインフルエンザと診断されることもよくある話です。
処方のタイミング
インフルエンザ薬には、代表的なものとして「タミフル」「リレンザ」「イナビル」「ゾフルーザ」などがあります。これらの薬に特徴的なことは、発症後一定の時間内に処方されることが推奨される点です。私が病院でインフルエンザと診断されたのが発症から2日半後くらい。約60時間後です。症状は残っていたもののウィルスは減少を初めていたのでしょう。
そのため、医師はインフルエンザ薬とされる特定の薬を処方しなかったと考えられます。また、薬を飲むとウイルスが薬に対して耐性を得てしまい、薬の効きが悪くなるというデメリットもあります。必要のない薬を処方しないことは、患者への適切な診断でした。
インフルエンザ自体熱があってフラフラする程度だが、人に内容によっては仕事は可能。私の場合はタイミングが悪くて病院でインフルエンザ簡易検査で陰性だった。家族がインフルエンザB型だったとLINE来て日比谷線途中下車して救急車呼んでもらった。気づかなかったとしても仕方ない。
— S.Sakura/桜井P (@s_sakura) 2019年1月23日
インフルエンザ感染をこれ以上広げないためにも、お金がなくても保険証がなくても、病院にかかれる制度があると周知をお願いします。人を助けることは社会を助けること。 https://t.co/m3jXlJ5aTF
— 藤田孝典 (@fujitatakanori) 2019年1月24日
検査だけに頼らない診断
病院で診察にあたった医師によると、インフルエンザの診断は簡易キットで6割程度しか検出されないとのことでした。その理由は、検体となる鼻汁や鼻の粘膜に含まれるウイルスの量、検査する時期などによって変わるからということでした。
予防接種と栄養休養
インフルエンザ薬は次々と新薬が開発されていますが、それらの薬の使用にあたり重要なことがあります。それは、発症後早めに吸引、服用することです。あらかじめの予防接種もしておくといいでしょう。ただし、発症後48時間が経過し、症状が和らいでいたらインフルエンザ薬を処方しない場合もあります。その理由は、インフルエンザであっても最終的にはヒトが本来持つ免疫力によって治すものであることを物語るかのようです。
とはいえ、予防接種もしないで迅速な診断も受けず、放置しておけば必要以上の苦痛を味わうことになるでしょう。普段からうがいや手洗いをし、人混みは避け、睡眠食事を規則正しく摂って普段から健康維持に心がけることが、なによりの予防薬となるでしょう。
それでもかかってしまったら、病院でインフルエンザの適切な治療を受け、安静にして自己免疫による治癒を待つということになるようです。