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あなたの認知症に対する固定観念を崩してみませんか?

9月は世界アルツハイマー月間

「認知症になると人生終わり。夢も希望もない。」そういう固定観念をもっていませんか?当事者の声を聞くとそうではないようです。身近なアルツハイマー病・認知症ですが、私たちには知らないことがいっぱいあります。9月は世界アルツハイマー月間、9月21日は世界アルツハイマーデーでした。

「大切なものは必ず残る」

「認知症になると何もわからなくなる」
「話すこともできない」
今でも、そういう固定観念をもっている方は少なくないかもしれません。23年前にアルツハイマー型認知症と診断された、オーストラリアのクリスティーン・ブライデンさんは、認知症の当事者としてはじめて公の舞台で自分の考えを語った方です。

「自分がどうなってしまうのか」「生きている意味があるのか」自問自答する中で、たどり着いた気づきが、「大切でないものはなくなるが、大切なものは必ず残る」ということだったそうです。

記憶が消えていくことは怖いですし、自分が自分でなくなる感覚もあるでしょう。でも、「大切なものは必ず残る」という当事者から発せられたこの言葉の意味はとても大きいと思います。

自分の生きてきた証を根こそぎ認知症という病から奪われることはない!そういう、かすかな希望が得られる気がします。

「Nothing about us,without us!」

これも、ブライデンさんの言葉です。「わたしたち抜きに、わたしたちのことを決めないで!」

「認知症になると何もできなくなる」という多くの人の固定観念が、今まで当事者無視の制度や扱い方にしてしまったのかもしれません。当たり前にあるべき、権利や尊厳が認知症当事者にはなかったということですよね。

日本でも、2014年に「日本認知症ワーキンググループ」が結成され、2017年には活動を持続・発展させるため「一般社団法人 日本認知症ワーキンググループ」が設立されました。当事者の声を多くの人に届ける取り組みが、徐々に広がりをみせています。

認知症とともに生きる人の声なしに、認知症のことは誰にもわからない!自分の困りごとは、自分で提案して社会にわかってもらい、制度としてスムーズに取り入れられることが当たり前の世の中になればいいなと思います。

「診断前にやっていたことを何もやめなくてもいい状態」

”dementia” は日本語で認知症のこと。”Living well with dementia” とは、”認知症とともによく生きる” という意味です。認知症当事者の社会参加が最も進んでいる地域のひとつにスコットランドがあります。

スコットランドで、認知症にやさしい地域づくりを進めている村で中心的役割をしていた、7年前に認知症と診断されたスチュワード・ブラックさんは、「Living well with dementia とはどういうことか」問われた時、「診断前にやっていたことを何もやめなくてもいい状態。それが自分にとっての認知症とともによく生きること」と答えています。

認知症と診断された時点で、いろんなことを忘れてしまうから、あれをやったら危ない!これもやめとこう!というのが日本の考え方。しかし、スコットランドでは、そうではないようです。認知症になったとしても、可能性はまだまだ開かれているんですね。

”認知症とともによく生きる” ことができる日本に

認知症のことを、私たちはどのように学べばよいでしょうか?

答えは、当事者の声に耳を傾けることしかないと思います。認知症の症状を経験している人にしか、本当の認知症のことはわかりません。

世界では、3秒に1人が認知症にかかっているといわれています。自分自身が、また、自分の大切な人が認知症にかかる可能性は極めて高いです。

認知症になっても絶望することなく暮らせる社会、認知症の方の声をしっかり反映できる日本、可能性が開かれている日本にするために、もっと認知症の方の生の声を聞いてみませんか?

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