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2018.9.10:フリーペーパーVol.30発刊!

障害者雇用をほんとの意味で進めるためには

「特例子会社」鹿児島では3社目

8月1日、鹿児島で3社目の特例子会社「株式会社アウトソーシングサービス 鹿児島ブランチ」(親会社:株式会社アウトソーシング)が事務所をオープンしました。精神や身体に障害を持っている6名が正社員として採用。5年後までに30名程度の障害者の雇用を予定しているとのことです。

障害者の働き口が増えることは、当事者として素直に嬉しいです。少しでも選択肢は多い方がいいですもんね。でも、私の心の中では、障害者を雇用する・しようとしている企業を信じきれていない部分もあります。

障害者の働き口

障害をオープンにして働くか、クローズにして働くか。どちらにもメリット・デメリットがあります。私には1度だけクローズで働いた経験があります。3ヶ月ほどは踏ん張れたのですが、症状が出てしまってからどうしようもなく苦しくて…結局、立て直すことができないまま1年もたず、退職することになりました。今回は、クローズではなく、障害をオープンにして働く場合の選択肢…特例子会社と障害者雇用枠を取り上げたいと思います。

特例子会社とは

厚生労働省の資料によると(平成29年度6月1日現在)、特例子会社は全国に464社あります。鹿児島では現在3社。特例子会社とは、企業が障害者雇用において、特別に配慮した子会社のことをいいます。この特例子会社で働いている人たちは親会社の従業員とみなすことができ、親会社が雇用する従業員数に加えることができます。雇用される障害者は5名以上、全従業員の20%であることが条件のひとつです。

障害者雇用枠とは

ハローワークの障害者求人件数をみると(平成30年8月9日現在)、全国で15743件ありました(就労継続支援A型事業所の求人を含む)。ちなみに鹿児島県内で187件。障害者雇用枠とは、企業が障害者を雇用するために設けられた枠のことをいいます。「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」を持っている人が対象になります。

障害者雇用率制度

平成30年4月から障害者の法定雇用率が0.2%上がりました。すべての雇用主には法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があります。民間企業の現在の法定雇用率は2.2%。従業員45.5人以上雇用している企業は障害者を1名雇用しなければならない計算になります。

罰則があるから障害者を雇うの?

法定雇用率に達していない企業から納付金を徴収して、雇用率達成企業に調整金・報奨金を支給する、障害者雇用率納付金制度というものがあります。

1人につき50,000円

法定雇用率を達成できなかったから罰金、という感じでしょうか。雇用率未達成企業の事業主は、法定雇用障害者数に不足する障害者数に応じて、1人につき月額50,000円の障害者雇用納付金を支払わなければなりません。

罰則が嫌だから

罰金を支払うのを防ぐためにとりあえず障害者を雇う、という企業も実際あると思います。表向きには障害者のため、社会貢献のためにといいながらも。戦力として雇うのではなく、法定雇用率に引っかからない程度に人数だけ集めて、してもしなくてもいい作業をさせている…そんな企業が未だにあるような気がしてなりません。

制度がないと障害者を雇わないの?

障害者雇用率納付金制度があるから、しょうがなく障害者を雇っている企業はあると思います。罰則がないと障害者を雇用する考えすらないという方々も。そういう意味では、この制度は良いのかもしれません。でも、できないから…罰金。これでは、今後の広がりはないと思いますし、障害者自体が人として扱われていない感覚があります。

両思いをつくろう!

Eテレで放送されているハートネットTVの一企画「ブレイクスルー2020→障害者雇用 もっと増やそう両思い!プロジェクト」。この考え、すごくいいなと思いました。働きたい障害者と障害者を雇いたい雇用主のマッチング。マッチングが成立したら、お互いハッピーですし、両思いが増えてくると社会が変わっていくのではないかとも思います。

働きたい障害者

障害をオープンにした就職は、自分がしたい仕事というよりは、狭まった選択肢の中で「ま、これならいいか」という仕事を選ばざる負えない現実があります。また、自分の特性を理解してもらえない、自分の障害を開示しきれないなどの理由で、職場でのコミュニケーションがうまくいかず、居場所がなくなるケースもあるかもしれません。

障害者を雇いたい雇用主

ハローワークに求人を出しても、人が集まらない企業もあります。特に中小零細企業は。従業員が足りない…死活問題ですよね。従業員確保のために地域のマッチング会(働きたい障害者が集まる場)に参加している雇用主もいらっしゃいます。その人のできること・できないことを聞く中で自分たちの会社で活躍できそうな人材を探すことができる…宝の山みたいな感じと表現する人もいます。

わからないことはしっかり聞いて

雇う方も雇われる方も、できること・できないこと・知ってほしいこと・気をつけて欲しいことなど、腹を割って話せるマッチング会が各地で開催されたなら、障害者雇用のブレイクスルーができるのではないかと思います。

まず、出会うこと、そして、わからないことはしっかり聞いて、理解し合おうとすること。それから、両思いをどんどん増やすこと…これが障害者雇用をほんとの意味で進めていくためのヒントになると思います。