2018.6.10:フリーペーパーVol.27発刊!

無名歌手が歌うアニソン通称「パチソン」妙な音楽の世界

当時騙されて買ってしまった人もいるのでは?「パチソン」の世界

その昔、ホームセンターなどの店先に並んでいたちょっと怪しげなカセットテープ売り場。
収録曲のラインナップを見れば馴染みのある、特撮ソングやアニメソングの数々。
しかし買って聴いてみれば、オリジナル楽曲とは違い、知らない人が歌っている・・・
今回は通称「パチソン」と呼ばれる、妙な音楽文化の話題です。

パチソンとは?

1960年代頃、まだ今ほど音楽が手軽ではなかった頃、電器屋やホームセンター、お祭りの夜店などで比較的安価で売られていた、オリジナル楽曲とは違い、無名な歌手が同じ楽曲を歌っている音源を、一部ネット界隈で「パチもんソング」略して「パチソン」と呼ばれいます。

パチソンの歴史

正確な歴史は不明ですが、1960年代頃からどうやら存在していたようです。
その後1970年代に最盛期を迎えました。
現在40代以上の世代の人は、子供の頃にこれらの楽曲が収録されたカセットテープなどを買ってしまい、ガッカリさせられたことがある人も少なくないようです。

パチソンの主な特徴

主な特徴としては、オリジナル楽曲ではないので、本人が歌っていないというのは当然なのですが、

「音程が変」
「歌の節回しが変」
「歌詞がちょっと違う」
「演奏が不安定」

などオリジナル楽曲よりも劣るものがほとんどで、極稀にオリジナルに匹敵するものあるのですが、大半はお粗末な楽曲ばかりなのです。
また、主に歌われる楽曲は、アニソンや特撮ソングが主ですが、当時の歌謡曲やポップスなどのパチソンも存在するようです。

以上のように良いところが何一つ無い感じなのですが、「そんなどうしようもない所が良いじゃない!」と言う、私を含む一部のマニアに支持されています。

パチソン名曲(?)集

ここからはマニアの間で人気のパチソンを紹介します。
オリジナルの楽曲を思い出しながら、その違和感を楽しんでみましょう。

パチソン「魔法使いサリー」

オリジナルに対して、ムード歌謡な雰囲気と哀愁を漂わせ、なんとも切ないアレンジへと変貌したサリーちゃん。
独特の雰囲気漂う歌声も強烈ですが、間奏のトランペットがとにかく切ない・・・

パチソン「クレヨンしんちゃん」

まず驚いたのが、この曲が発表されたのが1993年なのですが、1990年代に入っても、まだパチソン文化が残っていたという事です。
それはさておき、肝心の楽曲の方は、自称「クレヨンしんちゃんのモノマネできます」的な人がやる、低クオリティなモノマネ歌唱に、全く調和が取れていないコーラスが痺れる1曲です。
そしてこの頃になってくると、楽曲が生演奏から打ち込みになっているところに、時代の移り変わりを感じさせます。

パチソン「バロム・1」

「マジンガーZ」など数多くのアニソンを歌い続けている水木一郎の代表曲のひとつで、本編を観たことが無くとも聴いたことがある人は、多いはずです。
そんな名曲のパチソンは、オリジナルとは違う独特なアレンジで歌われています。
前半の勝手にアレンジが施された掛け声には、椅子からひっくり返ること必至の何とも強烈なな1曲です。

時代とともに消えていったパチソン

もはや音楽を聴くこと自体が手軽になってしまった現在、パチソン音源などは、私のようなほんの一部の面白ってる人間のみにしか需要はありません。
当然ながら、時代とともにパチソン文化も無くなりつつあります。

しかし、聴くことが手軽になったのと同じく、自分の歌を世に出す事も、昔に比べて手軽になりました。
ニコニコ動画やYoutubeなどで「〜歌ってみた」と言うタイトルなどで投稿された動画や、歌が好きな素人やセミプロの人が歌った音源が、インターネットを通して聴くことができます。
パチソン文化は無くなってしまったと思いましたが、カセットやレコードから音楽を聴く媒体が代わり、デジタルへと変わったことで、自分が歌ったものを形にする媒体も変わっただけで決して無くなってしまった文化ではないいのかもしれません。

探せばまだ見つかるらしいパチソンの音源

今回紹介したようなパチソンが収録されたカセットテープなどは、リサイクルショップや中古レコード屋で探せば、まだ見つかるかもしれないとのことです。

こういうものの現物は、どうしても欲しくなる性分のため、最近リサイクルショップなどに行く際は、中古CDやカセットテープの売り場をチェックするようにしています。