fbpx
2018.11.10:フリーペーパーVol.32発刊!

無名歌手が歌うアニソン通称「パチソン」妙な音楽の世界

当時騙されて買ってしまった人もいるのでは?「パチソン」の世界

その昔、ホームセンターなど、店の隅っこの方のカゴに並べられた、ちょっと怪しげなカセットテープやCD。収録曲を見れば、馴染みのある特撮ソングやアニメソングが入ってると書いています。しかし買って聴いてみると、誰だか知らない人が歌っている・・・そんな楽曲のことを、一部では通称「パチソン」と呼ばれています。

今回は、そんな「パチソン」と呼ばれる、妙な音楽文化の話題です。

パチソンとは?

1960年代頃、まだ今ほど音楽が手軽ではなかった頃、電器屋やホームセンター、お祭りの夜店などで比較的安価で売られていた、オリジナル楽曲とは違い、無名な歌手が同じ楽曲を歌っている音源を、一部ネット界隈で「パチもんソング」略して「パチソン」と呼ばれています。

パチソンの歴史

正確な歴史は不明ですが、1960年代頃から存在していたようです。
その後、1970年代に最盛期を迎え、あちこちでひっそりと出回っていたそうです。
現在40代以上の世代の人は、子供の頃にこれらの楽曲が収録されたカセットテープなどを買ってしまい、ガッカリした経験がある人、意外といるんじゃないでしょうか?

パチソンの主な特徴

主な特徴として、本人歌唱ではなく、無名の歌手が歌っている事が前提のほかに、

「音程が変」
「歌の節回しが変」
「歌詞がちょっと違う」
「演奏が不安定」

など、基本的にオリジナルよりも劣るモノばかりです。(極稀にオリジナルに匹敵するものもあるのですが・・・)また、パチソンの大半は、アニソンや特撮の楽曲が主流ですが、当時流行した、歌謡曲やポップスなどのパチソンも存在するようです。

しかし、そんなダメダメなところに魅力を感じる、私を含む一部のマニアに支持されています。

パチソン名曲(?)集

ここからは、マニアの間で人気のパチソンを紹介します。
オリジナルの楽曲を思い出しながら、その違和感を楽しんでみましょう。

パチソン「魔法使いサリー」

元気いっぱいな印象のオリジナルに対して、ムード歌謡っぽい妖艶な雰囲気と哀愁を纏ったこちらのサリーちゃん。もはや少女というより、だいぶ大人な雰囲気を漂わせた歌声とトランペット。そして全体的に切ない・・・

パチソン「クレヨンしんちゃん」

この曲のオリジナルが発表されたのが1993年なのですが、1990年代に入ってもまだパチソン文化が残っていたという事が驚きです。
さて、肝心の楽曲の方ですが、自称「クレヨンしんちゃんのモノマネできます」的な人がやる、低クオリティなモノマネ歌唱に、もはや違和感でしか無いコーラスが痺れる1曲です。
そしてこの頃になってくると、楽曲が生演奏から打ち込みになっているところに、時代を感じさせます。

パチソン「バロム・1」

「マジンガーZ」など数多くのアニソンを歌い続けている水木一郎の代表曲です。この曲は、本編を観たことが無くても、曲だけ聴いたことがある人は、多いのではないでしょうか。
そんな名曲のパチソンカヴァーは、オリジナルと差別化を図ろうとしたためなのか、独自のアレンジが施されたヘンテコなシャウトを聴くことが出来ます。オリジナルとは随分とかけ離れたヘンテコシャウトは、思わず椅子からひっくり返るほど強烈な1曲です。個人的にお気に入りのパチソンです。

時代とともに消えていったパチソン

もはや音楽を聴くこと自体が手軽になってしまった現在、パチソン音源などは、私のようなほんの一部の面白がっている人間のみにしか需要が無い状況です。当然ながら、時代とともにパチソン文化も無くなりつつあります。

しかし、聴くことが手軽になったのと同じく、自分の歌を世に出す事も、昔に比べて手軽になりました。

ニコニコ動画やYoutubeなどで「〜歌ってみた」と言うタイトルなどで投稿された動画や、歌が好きな素人、セミプロの人が歌った音源が、インターネットを通して聴くことができるようになりました。
パチソン文化は無くなってしまったと思いましたが、カセットやレコードから音楽を聴く媒体が代わり、デジタルへと変わったことで、自分が歌ったものを形にする媒体も変わっただけで決して無くなってしまった文化ではないのかもしれません。

探せばまだ見つかるらしいパチソンの音源

今回紹介したようなパチソンが収録された音源などは、リサイクルショップや中古レコード屋で探せば、まだ見つかるかもしれません。

個人的に、こういうモノは聴くだけではなく、現粒までどうしても欲しくなる性分のため、最近リサイクルショップなどに行く際は、中古CDやカセットテープの売り場をチェックするようにしています。