「オープンダイヤローグ(開かれた対話)」。言葉は聞いたことがあり、気にはなってはいたものの、深い内容までは知らなかった。
「オープンダイアローグ(開かれた対話)」という、フィンランド生まれの精神科の治療法が関心を集めている。統合失調症をはじめとする急性期の精神障害が、ほとんど入院せず、薬もあまり使わずに回復するという。
オープンダイアローグ
統合失調症が治るかもしれない。
フィンランドでやっている取り組みなのです。日本では斎藤環という方が提唱しています。https://t.co/p0WWHFM6Fa @youtubeより
— 旧アカウント 信榮堂 (@shineidou01) August 2, 2016
オープンダイアローグでは、専門家チームと本人、家族などが集まって、対話を重ねる。言葉の力で治す。統合失調症は主に薬で治療するしかないと考えてきた精神科の常識をひっくり返すものだ。
私も「統合失調感情障害」という診断名がつき、今治療を続けている。そして、外出が怖くてできなかったのが、薬により外出可能になるなど、薬の重要性はもちろん知っている。
しかし、それだけでは足りないと思う。
長期引きこもりの経験がある身としては、人とのつながりがどんなに大切か身にしみている。その中でも、この開かれた対話は治療の回復に効果的なものなのではないかと思う。
やはり、一人で家にひきこもっていても、何も生まれない。通所するところや仕事場で対話することによって元気になることは多々ある。
また、精神科医にじっくり話を聞いてもらうのは、安心するものである。
また、今日ご講演を拝聴した感想ですが、オープンダイアローグの、価値判断せず、今ここで起きていることに着目して率直に対話する、というのはマインドフルネスにも通じるような気がしました。他者の目でも俯瞰できるよう本人にフィードバックするというか。
— Δ (@plus81sankaku) July 30, 2016
いろいろな人と開かれた対話「オープンダイアローグ」は、素晴らしいものであると思うし、もっと日本の精神科にも「オープンダイアローグ」を取り入れて欲しい。
悲しいことだが、病院によっては精神科医が患者の目も見ないで、パソコンの画面に患者の話す言葉を打ち込むことに集中し、対話というには、程遠い5分ほどの診察で、薬をすぐ処方するという、薬中心主義の医療も実際にはある。
「精神的な危機は、治療の“窓”が開いている時なので、それを活用する。精神病的なことを話すと病院に入れられるという心配がないので、本人は安心して話せる」とミアさん。
私も、「何かに追われている」という感覚に襲われる時があった。自分が正常な時は「それは普通ではない」ということは、認識できるのだが、「何かに追われている」という感覚に襲われる時は、それは私にとっては確かな事実である。
そして、そんなことはめったに人に話せるものではない。話したとしても「やっぱり理解されなかった」という思いが強い。
開かれた対話「オープンダイアローグ」に憧れる。もっと日本の医療にも「オープンダイアローグ」が、広がって欲しいものだ。
日本への紹介に力を入れている精神科医の斎藤環・筑波大教授は「これが広がれば、精神科医療は大きく変わる。抵抗する精神科医は多いだろうが、日本でもパイロット的に試みていきたい」と話している。
最後に、「オープンダイアローグ」の歴史を載せて、この記事を締めくくろうと思う。
オープンダイアローグは、フィンランドで精神科病院の縮小が進められた1980年代、取り組みが始まった。北極圏に近い西ラップランド地方にあるケロプダス病院が拠点。現在は、事件や自殺未遂で強制入院になった患者にも、入院中に使われているという。