現在、日本では、映画や音楽などの娯楽を何不自由なく楽しむことが出来ます。
でももし、そんな当たり前の事がそうでなくなったら、あなたはどうしますか?
最近では、中国で「政府がヒップホップの禁止令」が出されたというニュースが飛び込んできました。
【前編】ヒップホップが政府によって“抹殺”された――独裁中国の野望にスイッチが入った! | 週プレNews https://t.co/xFWBITui1f @shupure_news
— モーリー・ロバートソン (@gjmorley) 2018年3月1日
「2017年は中国のヒップホップ元年」と言われた中国のヒップホップシーンは、コレで勢いを断たれてしまいました。
近隣国でこんなことが起こってしまってしまいましたが、最近、日本でも様々な娯楽コンテンツにおいての表現規制が、以前よりも厳しくなってきたように感じる今日このごろです。
考えたくはありませんが、国に娯楽コンテンツを規制され、自由に楽しめなくなる日が来てしまったら・・・
今回は、そんな状況になってしまっていた1980年代のルーマニアが舞台のドキュメンタリー映画を紹介します。
「チャック・ノリス共産主義」
舞台は1980年代ルーマニア。
ニコラエ・チャウシェスク大統領による独裁政権の下、当時の国民は、娯楽がほとんど無い生活を強いられている状況でした。
しかしそんな中、政府の目を掻い潜り、海外の映画が収録されたビデオテープが国内に出回るようになると、夜な夜な映画会が密かに行われました。
そして、その殆どの映画には、ある女性によるルーマニア語の吹き替えが収録されていました。
本作では、当時どうのようにして映画会が行われたかを、映画会参加者や企画者にインタビューして回っています。
当時上映されていた作品についてや、映画会が開催されていた部屋の雰囲気などの話を聞いていく中で
「見つかれば捕まるかもしれないけれど、映画は観たい!」
という、緊張感とワクワク感が入り混じった、その当時の状況が浮き彫りとなっていきます。
また、ほとんどの映画作品にルーマニア語の吹き替えをあて、ルーマニア国民の殆どがその声を知っていたと言われる正体不明の女性が、本作で正体を明かしてインタビューを受けています。
危険を顧みず命がけで吹き替えを行っていた当時の状況や、吹き替えをする際の表現方法の工夫など、様々なことを答えてくれていて、非常に興味深い内容でした。
他にも、どのようにしてビデオテープがルーマニア国内へと持ち込まれたのかなどが、明らかにされています。
「持ち込む人」「編集する人」「楽しむ人」すべての人たちが、リスクと戦いながら「映画を観る」という事へ情熱を注ぐ姿がそこにはありました。
当たり前の事がいかにありがたいことかを感じることができる映画
現在私達の住む日本では、レンタルやビデオオンデマンドサービスのおかげで、以前にも増して映画などの娯楽コンテンツが身近になりました。
そんな「観たいときに観れる」と言う当たり前の事が、本作を観た後、とてもありがたい事なんだと感じると同時に、これが当たり前でなくなってしまう未来がきてしまったら・・・と考えると少し怖くなりました。
前情報を入れず、タイトルがタイトルなだけに「なんだかんだで、そんなにチャック・ノリスが出てこないB級アクション映画」ぐらいのイメージで観始めました。
しかし観終わった後、いろんな感情が湧き出たり、いろいろ考えさせられたりと、私の中ではかなり強烈な内容の映画でした。
日頃、映画や音楽などをよく観たり聴いたりする方には、是非1度観ていただきたい。
ちなみに本作のタイトルにもなっています「チャック・ノリス」ですが、本作ではそこまで触れられることはありません(笑)
しかし、彼の映画を観た人の「映画を観終わった後、その辺の石や道が違ったものに見えた」と話すその姿は、心打たれました。
「チャック・ノリス共産主義」
https://www.netflix.com/jp/title/80039422
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