2月17日(土)午前10時30分から東京有楽町朝日ホールで、朝日杯将棋オープン戦準決勝と決勝が公開対局で開催されます。
4強に勝ち残っているのは、羽生善治竜王、藤井聡太五段、久保利明王将、広瀬章人八段、の4人です。
なかでも注目を集めているのが、将棋界7タイトル(叡王は永世規定無し)すべてで永世称号を獲得した羽生善治竜王と、今期の順位戦で昇級を決め五段になったばかりの藤井聡太五段の対局です。
非公式戦1勝1敗の2人が「公式戦ならどちらが強いか」の答えを出すこの対局は、近年台頭する若手棋士の世代交代は本物であるか、一つの指標を示すでしょう。
藤井五段がもし優勝した場合、日本将棋連盟が定める「五段昇段後全棋士参加棋戦優勝」の昇段規定を満たし、六段に昇段することになります。
それにしても、羽生竜王と藤井五段については既に詳細な記事があちこちにウンザリするほど溢れているようなので、ここでは準決勝に勝ち残っているもう2人の棋士、久保利明王将と広瀬章人八段についても触れますので最後まで楽しみに読んで下さい。
【#将棋 アンケート】
2/17に羽生竜王と藤井五段が公式戦初対決!勝つのはどっち!羽生竜王(今年度 28勝21敗 0.5714)※朝日杯、過去5回優勝
藤井五段(今年度 53勝11敗 0.828)※現在8連勝中、年度部門四冠#羽生vs藤井はアベマで無料生中継
詳細はこちら▶︎https://t.co/U7zXMV6mdr— AbemaTV将棋ch【公式】 (@abematv_shogi) 2018年2月12日
大会について
まず、朝日杯ってどんな大会なの?
という方も多いかと思います。
毎年1回、朝日新聞社の主催で行われる早指し戦で、公開対局を最大の特徴としています。
この棋戦は全棋士参加型の規模の大きなものですがタイトル戦ではありません。
挑戦者を決めて番勝負を行うのではなく、予選を勝ち抜いた棋士がトーナメントで決勝戦まで戦い優勝を決めます。
通常、タイトル戦が持ち時間名人戦で9時間、竜王戦で8時間と長く、棋聖戦や棋王戦の短いものでも4時間あるなか、朝日杯の持ち時間はたった40分しかありません。
1手1手がテキパキと指され、2〜3時間程度で勝負が決します。
さらに、他のタイトル戦や棋戦との大きな違いは、対局者が椅子に座ってテーブルの上に置かれた盤を挟んで指す様子を、抽選に当たった一般観覧者が間近で観戦できる点にあります。
アマチュアにプロ棋士の指し手がどの程度理解できるのか分かりませんが、まるで縁台将棋を見守る野次馬のように観戦者が上から見下ろしている様子は、ほのぼのとしてちょっと面白いです。
明日の公開対局は注目度が高いことを踏まえ、観覧用の席が一般とメディアそれぞれに用意されるようです。入場は抽選になることが予想されます。
羽生善治竜王に藤井聡太五段が挑む朝日杯将棋オープン戦。17日に行われる準決勝と決勝を、特集ページでライブ中継します。解説は佐藤天彦名人、聞き手は山口恵梨子女流二段。棋譜も掲載します。ぜひ朝日新聞デジタルでお楽しみください。 https://t.co/9Q1nrQi1mb pic.twitter.com/NtULuRov9v
— 朝日新聞デジタル編集部 (@asahicom) 2018年2月15日
羽生竜王に勝ったら誰と対局するの?
かりに藤井五段が決勝に上がった場合、決勝の相手はどんな人なの?
と思う方もいるでしょう。
特に、今まで将棋に関心がなく、藤井五段や羽生竜王のニュースで棋界の事情を知ったという方には、久保王将も広瀬八段も馴染みが薄いかもしれません。
まず、久保利明王将について少し書きます。
1975年8月27日兵庫県加古川市生まれの42歳。
棋王と王将のタイトルをそれぞれ3期ずつ獲っています。
通算タイトル獲得数は6期です。
居飛車党が多数を占める男性プロ棋士のなかで、華麗なさばきで見るものを魅了する振り飛車党の代表棋士です。久保王将を羽生世代とするなら同じく羽生世代の代表的な振り飛車党に藤井猛九段がいます。
藤井九段は、開発当時画期的な戦法として旋風を巻き起こした「藤井システム」の開発者です。
久保王将は順位戦はA級に在籍し、名実ともにトップ棋士の一人といえるでしょう。
現在もタイトルを保持していることからも、羽生竜王と同様、衰えを知らぬ強豪です。
藤井五段、おめでとうございます☺️!!これで朝日杯に弾みがつきましたね!
バレンタインの質問に・・・
「今までは全く縁のないことでしたけど・・・」 他には朝日杯のことやオリンピックのことも聞かれてました。 pic.twitter.com/OKs5IBVKuL— りんごちゃん🔰 (@xmas_ic3) 2018年2月14日
広瀬章人八段はどのくらい強いの?
ものすごく強いです。
23歳ですでに王位のタイトルを獲得しています。
その後はタイトルを獲得していませんが、現在は順位戦A級に在籍し、名人を目指しトップの集団でしのぎを削る存在です。
準決勝までに菅井竜也王位、渡辺明棋王と2人のタイトル保持者を破って勝ち上がっています。
1987年1月18日北海道帯広市生まれの31歳。
順位戦A級にも3期在籍し続けています。
村)今日の夕刊(名古屋本社版)の記事です。子どもの頃、名著「羽生の頭脳」で学んだ藤井五段が、著者である羽生竜王に挑みます。
朝日杯最年少Vへ関門 藤井五段、17日に羽生竜王戦:朝日新聞デジタル https://t.co/mfgec8YljW— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) 2018年2月15日
もうお分かりかと思いますが、順位戦C級1組への昇級を決めたばかりの藤井五段以外は3人とも、A級に在籍するトップ棋士ばかりです。
とはいえ、今現在どれだけ強くとも短期間では段位も順位戦も上がりにくい将棋界のシステム上、藤井聡太は五段のC級1組に属するとはいえ、実力だけを取り出して比較すれば朝日杯に勝ち残った4強の中でむしろ頭一つ抜けているのではないでしょうか。
誰が優勝してもおかしくありません。
段位とかタイトルの肩書は目の前の1局の勝負では何の助けにもなりません。
強いから勝つのではなく勝った者が強いのです。
準決勝は明日午前10時30分から、決勝はそれぞれの勝者同士で午後2時30分から行われます。
中継は手近なところでは無料のAbemaTV、利用者登録が必要ですがニコニコ生放送でも行われます。
CSのテレ朝チャンネルでも生中継されるとのことです。
どうぞ、ご期待下さい!