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「恵方巻き、前年実績以上は作りません!」ヤマダストアーの決断

毎年、節分が近づいてくると店頭に恵方巻き売り場や予約開始のお知らせなどを目にするようになります。

大阪を中心とした関西地方で昔から続く風習も、今ではすっかり全国区に。
しかしその一方で問題になっているのが、売れ残った恵方巻きの大量廃棄
この問題に一石を投じたある会社の決断に、いま称賛の声が集まっています。

前年売れた数以上は作らない!

兵庫県姫路市を中心に8店舗を展開するヤマダストアー。そのヤマダストアーが1日に出した、節分用の太巻き等を宣伝するチラシには「もうやめよう」の大きな文字が。

つづけて「成長しなきや企業じゃない。けど、何か最近違和感を感じます」、「今年は全店、昨年実績で作ります。欠品の場合はご容赦くださいませ」と昨今の大量販売・廃棄に対する問題提起の言葉も。

スーパーでは「前年よりも多く作るのが常識」。SNS上で大量廃棄の問題が騒がれる近年、従業員の「このまま突き進んでいいのか」という疑問の声と、人口減の時代に今のやり方でいいのかという問題意識から、恵方巻きを前年実績で作ることを決断したのだそう。

結果的に8店舗のうち5店舗で完売し、欠品に対する苦情もなく、逆に激励の声が電話やメールで多く寄せられたそうです。

 大量に作り、大量に廃棄される商品たち

恵方巻きだけに限らず、ハロウィンやクリスマス、大晦日、バレンタインなどイベントがある度にケーキやそば、チョコといった、そのイベントに関連する商品が店頭にずらっと並びます。今やケーキの恵方巻きなどイベント色の強すぎる商品まで多く現れ、昔から伝わる風習はどこへやら。

「あやかってたくさん売ろう」という考えは当然でしょうが、過熱した”とにかく大量に作って店頭に並べる”というやり方が、大量廃棄という問題を招いています。

最終的には動物の飼料となることがほとんどですが、それで万事良しということになるのか?
日本が世界から称賛される”もったいない”の精神は、残念ながら希薄なようです。

 

高まり続ける、大量販売・廃棄への疑問の声

かつては大量廃棄に疑問の声を上げる人は、大多数とはいえませんでした。しかし、今ではSNSが普及したことで、販売・廃棄する現状を多くの人に拡散することが容易となり、華やかなイベントの裏側を知る機会が増えました。

イベントの度に起こる大量販売・廃棄に対し、疑問視する声がSNS上で多く上がるということは、”もったいない”という想いが日本人の中にしっかり残っている証かもしれません。

消費者の意識の変化に、売り手側が依然として追いついていない現状

ヤマダストアーが投じた一石は今は小さな波紋でも、消費者の声をエネルギーにして、やがて業界全体の意識を変えていく大きな波紋となってほしいものです。

via:朝日新聞デジタル

via:語源由来辞典

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