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新年度から「英語」を始める人に少しだけ伝えたいこと(前編)

4月の新年度を前に、新たに習い事を始めたいと思っている社会人は大勢いると思います。

習い事のなかでも語学の人気は高く、選択する言語は多様化したものの、人気ナンバーワンは今でもやはり「英語」なのではないでしょうか?

定番のラジオ講座新年度4月号も、書店に平積みでズラリと揃い始めました。意を決して英語学習を始める方たちのために、少しだけ伝えたいことがあります。

大量の言葉のシャワーに少しだけ「理論」も加えて

まだ英語の音にまったく慣れていない人が、意味が捉えられないとしてもナチュラルスピードの英語音声を流しっぱなしにして聴き続けることは、入り口としてとても重要な学習です。

でも、この英語のシャワーを浴びるという学習は、マンネリ化すると危険な面もあります。
人によって英語学習者も目的はさまざまだと思いますが、相手の第一声を聞き漏らさず理解するには、話の内容を「全体から推測する」だけでは駄目です。

いきなり飛び込んでくる第一音を、妥協せずにしっかり捉えなければなりません。
MP3プレーヤーでイヤホンして、四六時中聴きまくる学習方法は英語に慣れるためにある程度効果的かもしれません。ですが、なるべくスクリプトを「確認して」リスニングした方がいいでしょう。

「When」「Where」 を聞き間違えたなら、それらの音が自分にはどう聞こえて、正しくはどう発音されるのか、違いを細かく理解し、その後のリスニング学習に生かすのです。

すると、学習者に聞き間違いに対する危機感が生まれ、アンテナを張った状態で英語音声を積極的につかみ取りにいく聞き方ができるようになります。

この「聞き取りに行く」リスニングが重要なのです。
待ち構えていれば「聞こえてくる」のはもっと後になってから出来ることです。

TOEICや英検など、特に資格やスコアを目指す学習者ならリスニングパートで「予備知識の無い話題をいきなり短文で聞き取って、英文の選択肢から正解を選ぶ」という問題に遭遇するでしょう。

英会話力を身に付けたいという理由でラジオ講座などを学習し、長文を全体的に理解して分からない部分は前後関係から推測するという学習に馴染んでいる方もいると思います。

しかし、その方法ではテストには効果的に対応出来ないでしょう。
もちろん、短文も長文も関係ない、テストも会話も同じ英語だよ、と思えるぐらいある程度マスターした方には、この心配はありません。

でも、最初のうちは特に「細部と全体」両方を意識しながら訓練してください。
逐一テキストを確認しながら音声に戻るのって、確かに面倒です。
ずっと「聞き流して」いる方が手間が省けて楽だし、時間のロスも少なくて済むでしょう。

英語学習で重点を置くべきはまず音声学習

音声学習の片方は「聴く」力で、もう片方が「話す」力ですね。
英語4技能として残り2項目が「読む」と「書く」力です。

4技能はすべて重要です。
偏らないよう伸ばしていく必要があるでしょう。

というより、偏りながら伸びるということはむしろ難しいことです。
読めるから聴ける、聴けるから話せる、書けるから聴ける、話せるから書ける、その他すべての組み合わせが成立します。

若干の得意不得意はあると思いますが、もし自分の英語力で得意分野が極端に偏っているなら、それは訓練さえすれば他の項目も伸ばせるだけの潜在力が育っているのに手を出してない状態です。もったいないです。

なかでも音声学習はとても重要です。でも、「書く」ようにノートに残らないし、「読む」みたいに本や紙面として残らないためか、学びたての学習者には「聴く」と「話す」の自主学習を避ける傾向が見られます。

でも、何回も繰り返して細かく聴き分けるリスニング学習と、自分の発音を自分で振り返りながら何度も繰り返す音読などの訓練は、運動機能の一部としての語学力を体に定着させるため最も必要とされるものです。

一度身についたら簡単に抜けない「本能」に近い能力です。
テストを受けるにしても、後半のスタミナと集中力の切れた場面で少しくらいボーッとしてもリスニング音声が勝手に耳に入ってくるような能力です。こういう力が、本当の英語力です。

伝わる英語の本質

学習を中心として英語に触れる私たち「中級者」は、ある程度英語を使えますが、その能力が「重い」のです。英語力という刀を必死になって振り回しています。

だからものすごく疲れるし、少しでも油断したら自分の英語力を自分で制御することもできなくなります。本当に習熟すると英語を「軽く」扱えるようになります。

考えなくても口をついて英語が出てくるし、たまたま流れてきた音声を勝手に耳が理解してくれます。日本人なら、日本語をそういう風に使っているでしょう?

最終目的地はその地点です、でも、初心者であればそのずっと前の段階の、地道なトレーニングを大量にこなしていかなくてはなりません。

だから、頑張りましょう。

達成したいと思うことがあって、そのために必要な条件が明らかになったのなら、その条件を実行することで結果を出すことができます。

努力とは、単にそれだけのことです。

※後編へ続く(3月24日公開予定)

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