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仮想通貨「NEM」で話題の今だから…15年前使ってた電子決済「PayPal」

ビットコインなどの仮想通貨が新たな経済の主流となりつつあり、世間を賑わせています。

以前の日本ではそれほど普及していなかった、国を超えて流通する仮想通貨。私は仮想通貨を使ったことはありませんが、同じく国を超えて利用されるサービスに、電子決済「PayPal」があります。

PayPalは今でも利用されていますが、今から15年ほど前の日本の地方都市である鹿児島で、PayPalを利用する人やPayPalを知っている人は、周囲を見渡してもほとんどいませんでした。

海外からの送金受け取り

日本がちょうど、日韓共催のワールドカップで賑わっていた2002年前後、インターネットを介して海外の翻訳会社に在籍していた私は、海外から翻訳の仕事をときどき受注していました。

たとえば会社がロンドンのものだった場合、受け取るお金はポンドとなりますが、それを日本円で受け取る方法についてのノウハウはそれほど普及しておらず、ある程度勉強しなければなりませんでした。

PayPalの残高に、ポンドでお金が入っていることは自宅のパソコンで簡単に確認できました。それをどうやって現金化するかという点が、当時の日本、特に鹿児島という地方都市では、周囲に詳しく相談できる人もいなかったのです。

PayPalの面倒な手順

円への変換について具体的な手順を言えば、PayPalのホームページから自分のアカウントで口座履歴の画面を出し、ポンドから円への変換、変換した円を自分の預金通帳に入金する、といった手順を踏みます。

ただし、当時のPayPalの口座操作画面は基本的に英語のみでした。
仕事が翻訳なので、画面に現れている英語の意味はほとんど分かりましたが、扱うものが仮想の金銭なので口座へ移動が完了するまで、緊張して操作していたことを思い出します。

パスワードを忘れてメモした記録も紛失したときは、焦って不安で仕方なかったし、初めて操作したときには通帳への反映に若干時間がかかることも知らなかったため、通帳記入しても入金が印字されないことに絶望したりもしました。

当時のPayPalは、日本人に対してあまり親切な造りではなかったと記憶しています。

利益率の高かった、当時のポンド→円の仕事

現在の、円とポンドの為替レートがどの程度か調べてみると、1ポンドで150円ぐらいですね。
円高になった一時期は1ポンド130円程度だったので、それでも今は随分戻したなと思います。

しかし、私がちょうどポンドで報酬を受け取っていたころの為替レートは1ポンド=200円以上ありました。同じ仕事をしても、一時期のレートのころに比べれば1.5倍の報酬を受ることができていたのです。

当時、イギリスの仕事はドルよりも随分得でした。ロンドンの会社にしても、日本円で報酬を支払う日本人は雇いやすかったのかもしれません。

毎年2月になると、自由業に該当する私は確定申告を行っていたのですが、さまざまな収入証明を揃えるなかに、PayPalで受け取った際に銀行で受け取る英文で記入された証明書を加えます。

確定申告会場には税務署からの職員がズラッと大勢いて、あちらこちらで記入方法をアドバイスしていました。当時はマイナンバーがまだなかったし、確定申告用の端末も無かったのでずいぶん手間取りました。

証明書の中に£だのJPYだの記入した小さな紙切れが入っていると職員の方は「ん?」となり、
私も「(確定申告という制度のないイギリスの会社から出たお金の記録ってどう扱うのだろう……)」と不安だったものです。

それはそれなりに、税務職員の方の言うとおりに書類を作成するだけですので、私は手順を踏むだけでした。

今は、仮想通貨NEMが大変なことになっていますね。
PayPal使っているだけでも私は「自分って最先端…」などと思えていた、自分が恥ずかしいです。

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