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「福祉作業所の一体化は障害者を救うか?」ある町医者への取材記録

障害者向けB型福祉作業所はこれまで、単純作業の繰り返しの場、として知られてきました。
そして今も変わらず、単純作業の繰り返しに従事する作業員が多くを占めています。

そのような中、作業内容が就労に向けた希望となるよう、作業療法やデイケアとよばれる生活訓練はその内容を少しずつ向上させています。

今回、長年にわたり多くの患者と向き合い、ビルの一角にひっそりと小さな医院を構え、着実に多くの患者の心を救ってきたある一人の開業医に、現代日本の「作業所」について、お話しいただきました。

現代の作業所、向上した点と改善したい点

「患者さんのために少しでも社会との繋がりを作ってくれる作業所は、具体的な就労訓練の場として、とても大切なところです。私のところにも、ときどき、新しく開設した作業所から職員が営業に来ることがあるのですが、心配なのは、患者さんの状態に関する情報共有が、事業所によってまちまちな点です」

先生はさらに、B型福祉作業所の特徴として、作業内容や施設運営そのものが現状維持に陥りやすいこと、期限付き利用を条件としていること、利用者に焦りが生じやすいことなどを挙げました。それらの問題は症状の悪化につながり、利用者の社会復帰を停滞させる恐れがあるからです。

横の連携を持つ公的な一括管理

現在、作業所はそれぞれバラバラに運営され、時に利用者を奪い合うような関係にあるほどです。
その作業所が、もしも公的な管理のもと横のつながりを持った一つの組織に生まれ変わったとしたら、利用者の流動性や事業所の経営体力、医療機関との情報共有などの点で、さまざまなメリットが生まれるのではないかと、先生は期待を込めて話しました。

障害者や難病患者といった利用者のなかにも、優秀で責任感の強い人は大勢います。
作業所が一つの組織にまとまり、さまざまな難易度の仕事を各施設同士で流動的に作業員に用意することができれば、利用者は今の自分に相応しい仕事に従事する機会に恵まれることでしょう。

各作業所間でスキルアップに合わせた作業内容の変更も可能となるかもしれません。
それにともなって、効率的な経営も実現するはずです。

情報の一括管理で無駄を省き、利用者、事業所、医療機関などと共有し、社会復帰という利用者本来の目標に連携して協力することが可能となるでしょう。

深めたい医療機関との連携

さらに先生が望んでおられたことは、国、または県や市のレベルで利用者の安全と作業内容に基づくキャリアの進捗を把握し、自治体主導で社会進出の機会を提供することなどでした。

同時に、福祉作業所が第一義に福祉施設であることも忘れてはならず、単純作業に従事することが精一杯の人のために社会参加の場を提供し続ける重要性も強調されました。

福祉や介護の施設職員にとって中心的な仕事は、目の前で極度の不安や苦しみに苛まれる障害者や難病患者への対応となります。彼らに、障害者の職場定着といった長期的な計画まで求めるのは難しいことかもしれません。

そのような日常は、日本に存在する多くの事業所で日々繰り返されていることで、一人ひとりの社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士にさらに過剰な労働を期待していいのか、判断の難しい点です。

医療機関は、スピーディーな決定力に欠ける国や地方の腰の重さに遮られ、現場の医師による豊富なアイデアを生かしづらい状況にあります。

それなら、自治体そのものが現場の医師から寄せられた情報を一括管理し、障害者、難病患者の社会参加を率先する中心機関としての役割を果たせばいいのではないかと思うのです。

情報管理は、公権力にとっての独壇場ではないでしょうか。

容易に語られることほど困難なことが多いものです。
しかし、障害者が希望を捨てる必要など、どこにもありません。

この取材のためにご自身で書き出し、ワープロで出力した返答用の文書を目の前に置きながら、先生は要点だけを、言葉に詰まりながら最後まで、一生懸命に訴えてくださりました。

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