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「ひとり」篠原美也子、ないものねだりの恋いつも繰り返す

ちょっと長い曲なんですが、辛抱して最後まで聴いてください。

ていねいに作り込まれた歌詞に使われている一つひとつの言葉が、一語の無駄もなく選び抜かれた絶対必要な単語として存在することに気付いていただけると思います。

ゆっくりと、でもいきなり溢れ出る心情の吐露から歌は始まります。

自分が日常ごまかしながら生きている本当の不満や、自分が冒して自分で無視している他人を傷つける行為、世間に向けた批判の矛先をあえて逸している自分のズルさなど、篠原美也子は遠慮なく次々と言葉の力で暴いてきます。

この曲の前に立つと、自分の嫌なところが次々と見えてきます。それを浄化と捉えるか嫌悪と捉えるかは、自分次第です。

「ないものねだりの恋いつも繰り返す」

この歌を一言で評してしまえば「自意識過剰」と「劣等感」です。

ポジティブ至上主義の現代では受け入れられ難いテーマを扱った曲かもしれません。

曲、と書きましたが「ひとり」は、「歌」と呼ぶほうがしっくりきます。この曲はむしろ「歌詞」が重要です。

篠原美也子の歌を聴くときは、彼女のことをアーティストというより詩人だと思っています。

あまり、耳心地の良い言葉は出てきません。しかし、納得できる心象風景は各々が記憶する昔のふるさとを彷彿とさせることでしょう。

「白い杖を蹴飛ばし改札に向かう人々」

これから、仕事だ。

そんな緊張感と若干の不安感を抱いたまま、人々は朝の満員電車に乗り、口を塞いで無言で窓ガラスに押し付けられ、余裕のない自分の急ぐペースにそぐわない、動きの遅い白杖の歩行者の杖を蹴飛ばして自分がその前へ進む…。

人間の本性を抉り出せば、これは現実にあることでしょう。

それを、決して肯定はしませんが、追い詰められた人間の本性を躊躇なく歌うことに、聴き手として異論はありません。

あわせて聴きたい「青」

「ひとり」同様、アルバム『海になりたい青』収録の「」は、ゆっくりと進む曲です。

言葉もしっかり踏みしめるように語られていきます。人間としての自然な感情の起伏に合わせた曲と詞の進行は、聴く者のどのような感情的な乱れも引き起こしません。

波の上に浮かぶように、呼吸が安定し聴き手は歌詞の意味へと引き込まれていきます。
「ひとり」が社会描写とすれば「青」は自省の歌です。

「ひとり」も「青」も、救いとなる表現の少ない歌です。強いて言えば、救いは聴く者自身が自分で見出すべきものと言えるでしょう。

今のようなストレスの多い社会では大いに評価されるべき曲だと思いますが、おそらく「篠原美也子」の名も「ひとり」という曲の存在もほとんどの人が知らないでしょう。

今から24年前テイチクレコードから発売された篠原美也子メジャーデビュー曲「ひとり」。

後に発売されるファーストアルバム『海になりたい青』の2曲目にも収録されています。

曲の良し悪しは客観視することが難しいものです。

出会ったタイミング、環境、その時の自分の精神状態など、さまざまなファクターから評価は変わってしまいます。

聴いてみて、良いと思ったら少しずつ、彼女のことを調べてみてください。

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