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不眠症で痩せすぎた男「マシニスト」罪の意識で崩れやすい人の心

日本では2005年に公開されたサスペンス・スリラー映画「マシニスト(The Machinist)」。

主演のクリスチャン・ベールは、1年間寝ていない男の役を熱演。役作りで約30kgもの減量を行い話題となった映画だ。クリスチャンベールは「大変身を遂げた俳優BEST3」のナンバーワンにも選ばれている。役作りの際、1日の食事はツナ缶1個・りんご1個だけだったそうだ…。

日本で言うと「天皇の料理番(激痩せ)」と「俺物語!!(ガチムキ)」の鈴木亮平といったところだろうか。

1年間もの間、眠ることができなかった男

不眠症で1年間もの間眠ることのなかった主人公の日課は、主に「仕事に出かける・娼婦に会いに行く・空港にある深夜営業のカフェのウエイトレスと話す」この3つ。

ちなみにマシニストの意味は、マシーンの人「マシニスト(機械工)」である。主人公の職業も機械工なのだが、イギリスの哲学者であるギルバート・ライルは、心身二元論を批判する時に「機械の中の幽霊(Ghost in the machine)」という表現を用いている。主人公の機械的な生活や様子も、このギルバート・ライルが表現した”機械(身体)の中に住む幽霊(心)”のようだ。

そして次々と身に覚えのない出来事が周囲で起こりだし、これによりどんどん精神的に不安定になっていく。とにかく座っている時など、激やせしたクリスチャンベールの肋骨の出方が尋常ではない。見事、というべきか。あのクリスチャンベールがここまで…と、その役作りに驚くばかりだった。

とにかく終始暗く、冷たい空気が漂っている映画だ。個人的にはDVDのパッケージにあるような狂気的な印象に結構期待していたのだが、正直主人公は思っていたよりもまともだったところが少し残念だった(笑)

眠れない原因は自分自身の「罪」

終盤、結局眠れないのは「自らの罪」の意識が原因だったのだが、1年も眠ることがなければ幻覚も起こりうるのだろう。

主人公が背負った「罪」は、誰しもいつ経験してもおかしくないものだ。自らの罪の意識により不眠や鬱病などを患い不安定な状態に陥ることは誰にでも起こりうる。

眠らずにはいられない「過眠症」眠れない「不眠症」

マシニストは、眠れない「不眠症」の男が主役だが、逆に「過眠症」というものもある。

私は過去に3日間以上眠り続けたことがある。とにかく眠かったというのか、気力がなかった。何も手につかずただ横になっている事しかできなかった。動けなかったから眠るしかなかったのか、眠すぎたのか、いわゆる「過眠症」というやつだったのかもしれない。ちなみにこの期間の記憶はほとんど無く、思い出せない。

「不眠症」も「過眠症」も、どちらにせよ睡眠障害であるのには変わりないのだが、実は正反対に見えてとても関係の深いものだという。そして併発の可能性もあるようだ。

向き合いたくない事実、罪の意識により人間の心はいとも簡単に崩れてしまう。マシニストの主人公、クレバーも1年間の不眠を経て自らの罪と向き合った。サスペンス・スリラー映画とカテゴライズされてはいるが、人間に残された共通の意識はサスペンスが苦手な方でも多くの方に共感できそうだ。

誰しもクレバーのように自分が誰だかわからなくなる瞬間はあり、逃げてはいけない瞬間もあるのだ。

“WHO ARE YOU?”

via:Amazon

via:ヘルスケア大学

via:Wikipedia|ギルバート・ライル

via:Wikipedia|マシニスト

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