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「猫の日」に考える”命の格差”をなくすために出来ること

みなさんは猫の”命の格差”について考えることはありますか?

愛猫家のみなさんにはおなじみだと思いますが、2月22日は「にゃん・にゃん・にゃん」で「猫の日」です。

「猫と一緒に暮らせる幸せに感謝し、猫と共にこの喜びをかみしめる記念日を」と、愛猫家の文化人や知識人で構成される”猫の日実行委員会”が一般社団法人ペットフード協会と協力し、1987年に制定しました。

「いつもありがとう」とパートナーの猫ちゃんに普段とは違ったごちそうを与える飼い主さんも多いのでは。

ですが、「猫の日」と言ってもその対象のほとんどが家で飼われている猫。

せっかくの機会です、施設に収容される猫たちの実情にも目を向けてみませんか?そこには”命の格差”が存在し、そしてそれを無くすために奮闘する人々の姿があります。

ここでは、「猫>人間」という愛護の訴えではなく、不幸な最期を迎える猫がいるという実情と、そんな猫たちを増やさないための取り組みを知ってもらうべくご紹介していきます。

とどまることを知らない、猫の人気!

近年、世界中で人気が高まっている猫。テレビ番組で特集されたり、CMで起用されたりと目にしない日はないほど。その愛らしい風貌と仕草はもちろん、甘えたりそっけなかったりとツンデレな振る舞いに虜になる人も多いことでしょう。”振り回される幸せ”というやつでしょうか。自宅で猫を飼えない人たちは猫カフェに通ってふれあっているようですが、ストレス社会に生きる現代人に癒しを与えてくれる存在なのかもしれません。

また、”我が家の猫”をみんなにお披露目したい人も多く、愛くるしい写真や動画がSNSなどで紹介されると見る人を微笑ませてくれます。

 

どうしてそんな形で寝てるの?ということがよくありますが、見ているだけで本当に幸せな気分になります。

”飼っているペット”というよりは、”ともに暮らす家族”という表現の方がしっくりくる人も多いのでは。

猫の飼育頭数は2016年までの4年間で30万頭増加し、犬の約991万頭に迫る約987万頭。シニア層や一人暮らしが増え、「散歩の必要がない」「比較的支出の負担が少ない」といった点から猫を選ぶ傾向にあるようです。また、犬の飼育頭数が年々減少していることもあり、その数が逆転する日も近いと言われています。

理不尽な最期を迎える猫たちも・・・

まだまだ冷めそうにない”猫ブーム”ですが、その一方で多くの猫が殺処分という理不尽な形で命を奪われていることも事実です。捕獲された野良猫や飼育を放棄された猫たちは、新たな引き取り手が見つからない場合、やむを得ず殺処分されてしまいます。安易に殺処分するわけではないし、飼い主にも様々な経緯があるのでしょうが、同じ猫でありながら”命の格差”が生まれているのです。

環境省の統計調査によると、2015年度に全国で収容された猫は90,075頭、うち殺処分されたのは60,791頭(自然死も含む)に上ります。

日本は殺処分問題に関しては”後進国”と言われ、10年前の猫の年間殺処分頭数は20万頭を超えるほどでした。そこで、環境省は2009年度から「犬や猫の殺処分半減」を目標に掲げ次の計画に着手しました。

この犬猫の殺処分問題は国だけでなく、全国の自治体レベルでも年々意識が高まり、平成26年度には神奈川県がボランティアとの協働によって犬猫ともに殺処分ゼロを達成するまでに。殺処分ゼロを目標とする自治体の動きは、以前に比べ格段に広がりを見せています。

しかし、各自治体の取り組みの成果はボランティア団体の協力があってこそ成り立っていることも事実です。もっと飼い主やペットショップ側の責任と自覚の向上を促すような制度の整備が必要かもしれません。

画像引用:環境省自然環境局

殺処分頭数はこの10年間で約4分の1ほどまで減少。引き取る数を減らしたり、収容されても譲渡や返還などが以前よりも増えたことで殺処分される頭数は減少しました。それでもやはり、年間6万頭の猫が殺処分によって命を奪われているという現状があります。

野良猫に生きるチャンスを

野良猫たちに生きるチャンスを与えるための活動をしている団体の一つに、「全国野良猫対策連合会」があります。

所属する全国の愛護団体が、各地で保護活動や地域住民からの苦情・相談に対応しながらも、連合体として連携して取り組んでいます。猫の保護だけを目的とせず、住民の猫被害や苦情などの意見にも耳をかたむけ向き合い、理解を得ることを重視しています。そして、経験豊富な獣医師の協力のもと行われているのが”TNR活動”というものです。

<TNR活動とは・・・>

T=Trap(安全に捕獲する) N=Neuter(不妊手術を施す) R=Return(元の場所へ戻す)の略。捕獲し、不妊手術を施した猫を元いた地域に放し、猫が本来持つ”自分のテリトリー(縄張り)を守る”という習性を利用して、その地域への新たな猫の流入を防ぐという、国際社会でも認められている方法。

これまでの、「その地域の猫を捕獲して処分する」という方法では、「また新たな猫が入ってくれば次はその猫を処分する」という流れを繰り返すだけで終わりがありません。さらに、この「TNR活動」を全国各地で一斉に行うことで野良猫増加に歯止めをかけることが可能となったそうです。

画像出典:全国野良猫対策連合会

このような熱意ある方々の活動や賛同する人々の支援が、猫たちの命を守っているのです。

ここまで、理不尽に命を奪われる猫たちの現状やそれを解消するために尽力している人々の活動等を紹介してきましたが、結局のところ、このような境遇の猫たちを生み出している原因の一端は人間にあります。すべての野良猫が生まれた時から野良猫だったわけではありません。

「不妊・去勢手術を行わなかった結果、子どもが増え面倒を見きれなくなった」 「なつかない・飽きた」等の理由で捨て去りや虐待などの命を軽視した行為に及ぶ人がいるかぎり、不幸な猫たちはいなくなりません。

生き物を育てる上で欠かせないものは、生涯をともに過ごす”伴侶”としてパートナーの面倒を最期まで見る”責任”と”愛情”でしょう。

猫を不幸にしているのは人間かもしれませんが、猫を救うことができるのも人間だということを忘れてはいけません。

https://n-d-f.com/spp/approach/

via:ノミダニフィラリア.com

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8C%AB%E3%81%AE%E6%97%A5

via:Wikipedia – 猫の日

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html

via:環境省統計資料「犬・猫の引き取り及び負傷動物の収容状況」

http://wotopi.jp/archives/33453

via:wotopi

http://www.nekoren.jp/katudou/index.html

via:全国野良猫対策連合会

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