今、アニマルセラピーに代わる「ロボットセラピー」が注目を集めている。
では、そもそもアニマルセラピーとはどんなものなのか?
アニマルセラピーとは、医療従事者が治療の補助として用いる動物介在療法(Animal Assisted Therapy,AAT)と、 動物との触れ合いを通じた生活の質の向上を目的とする動物介在活動(Animal Assisted Activity,AAT)。
そして、小学校等に動物と共に訪問して行われる動物介在教育(Animal Assisted Education,AAE)を指す。
アニマルセラピーの種類
上記にあるように、アニマルセラピーの種類は3種類存在する。
- 動物介在療法
治療上のある部分で動物が参加することが不可欠とされる補助療法。
医療側の専門職(医者や看護師、ソーシャルワーカー)、作業・心理・言語療法士などがボランティアの協力をもとに治療のどこで動物を参加させるかを決定する。治療のゴールが存在し、活動に陽ては記録が必要であり進歩も測定されなくてはならない。
- 動物介在活動
基本的にペットと人間が表面的に触れ合う活動のことを指し、病院や施設などでの特別なプログラムの中に存在するものではない。治療上の特別なゴールが計画されず、活動する人たちも詳細な記録を取らなくてもよい。
- 動物介在教育
小学校などで、正しい動物とのふれあいかたや、命の大切さを学習するために行われる。近年、生活や総合学習の授業などで取り入れられるケースが増えてきている。
アニマルセラピーの力と、問題点
アニマルセラピーの起源は古代ローマ帝国時代にまで遡り、その駆け出しとなった「乗馬療法」は戦争で傷ついた兵士たちのリハビリに用いられている。また、19世紀にはパリで、神経障害によるマヒにも有効であることが発表され、それ以来治療法のひとつとして積極的に治療システムに組み込まれた。
以上からも分かるように、アニマルセラピーの効力は既に認められており、患者や、高齢者のストレスを軽減することが可能であるそうだ。更には、アニマルセラピーを実施することで、人々に安らぎを与えられるということも分かっており、現在も多くの注目を集めている。
しかし、実物の動物と触れ合う事によって色々な問題が発生する。動物を媒介とした感染症やアレルギーの懸念。また、飼育・管理の難しさから、動物を導入することには様々な困難がつきまとうのだ。
そんな中登場したのは、メンタルコミットロボット「パロ」である。
パロはタテゴトアザラシの赤ちゃんをモデルとしており、体長55cm・体重2.5kgと人間の赤ちゃんに近い大きさ。より、親近感が湧きやすいように作られているようだ。
「飼い主」に撫でられたり抱かれたりする状況を認識し、名前を呼ばれ話しかけられる事で言葉を学習していく。そして、朝・昼・夜の時間帯により、休んだり活発に活動したりするという1日のリズムも備えているという。
ここに、アニマルセラピーならぬ、ロボットセラピーが生まれたのだ。
では、メンタルコミットロボット「パロ」の力はいかに?
介護福祉施設や小児病棟などで検証された結果、パロによるロボットセラピーはアニマルセラピーと同様の効果があると認められている。
認知症患者に対する実験では、なんと約半数の患者において症状が改善または健常者のレベルにまで引き上げられるという結果が出た。
このことから見ても、パロは患者に十分な効果をもたらすことがわかる。
アニマルセラピーの良さを残しつつ、進化を遂げた形となるロボットセラピー。
これからも、検証が進められ、今後、アニマルセラピー同様期待値の高い治療法となっていくだろう。
https://info.ninchisho.net/archives/6810
http://www.health.ne.jp/library/5000/w5000331.html
via:認知症ねっと
via:healthクリック
via:JAHA