最近、障害者施設や老人ホームなど安心して利用できるはずの施設であまりに残虐な事件が、各地ニュースで取り上げられています。昨年の夏、2016年7月起相模原の障害者支援施設「やまゆり園」で起きた殺傷事件の報道は衝撃を受けました。
相模原市の障害者施設殺傷事件とは
事件は2016年7月26日、神奈川県相模原市にある「神奈川県立津久井やまゆり園」。警察と消防局に「男が刃物を持って暴れている」と通報があったそうです。駆けつけた時には19人の死亡が確認され、負傷したのは26人。犯人は以前、同園に勤めていた元男性職員の植松聖(さとし)容疑者(26)。「意思の疎通ができない人たちをナイフで刺した」とあまりにも身勝手すぎる供述をしてます。容疑者は1階東側の窓をハンマーで割って施設に侵入。その後、施設職員を結束バンドで拘束し、持参していたナイフや包丁で利用者を次々に刺していったとの事で、事件後は津久井署に1人で出頭したようです。
DPI日本会議では「相模原市障害者大量殺傷事件に対する意見」をまとめ、以下の点を求めている。
(1)施設からの完全な地域移行計画と地域生活支援の飛躍的拡充
(2)「殺されてよい命、死んでよかったというような命はない」との毅然としたメッセージの共有化— 中野多摩川 (@nakanotamagawa) January 4, 2017
事件後の安全対策はどのように進められたのか
やまゆり園では日頃から園の正門や居住棟の入り口には鍵をしており、夜間は1棟あたり2人以上の職員を配置、建物内に侵入されても各ホームに自由に行き来するのは難しい。職員でさえ、すべての鍵を開けられない様にマスターキーを持たせない。など対策していたのに事件は起きてしまったのです。各施設はこの事件後、色々な安全対策を考慮し「防犯カメラ」「通報ボタン」を設置したり「さすまた」の使用方法を学んだりしたり対策を強化しているようです。警察署と合同で訓練したり、防犯に備えてのDVDを制作、また、職員が利用者をどのように避難するかなど様々。しかしながら、この事件前は防犯訓練を実施していた施設が少なく、施防犯マニュアルを策定していた施設も少なかったというのも事実のです。
https://twitter.com/joneztown_labo/status/815096003166687232
時間が経つと薄れ行く事件の記憶
施設等では残虐な事件が2度と起きないように頻繁に安全性の見直し、訓練などに気を配っているようです。最近でも11月29日には長崎の大村署は大村市の障害者支援施設「三彩の里」で不審者侵入の対処訓練を行い、職員や利用者の方、警察官と共に実例を交えて防犯対策を見直していった。と記事に上がっています。しかし、その中で時間が経つと一般の方からの記憶はどうしても薄れてしまいがちです。某番組でも「障害者差別解消法施行された年にこういう事件が起こることが理解できない」との声から「老人ホームの事件?知らない」と残念な回答も。事件を経験した利用者や職員、残されたご家族の痛手は想像以上のものです。
傷ましい事件にも、我々が生きる同時代の一面が隠されている。2016年相模原市の障害者施設で起った事件、これを特殊な人が起こした異例の出来事にはせずに、そこにひそむ時代精神を粘り強くあぶり出していく。昨年末から売れています。立岩真也 杉田俊介『相模原障害者殺傷事件』(青土社) pic.twitter.com/LLF3KL9vIK
— Title(タイトル) (@Title_books) January 5, 2017
http://www.asahi.com/articles/ASJ7V2650J7VULOB00C.html