私は、ジャニーズが好きだ。
そのきっかけとなったのは『関ジャニ∞』で、2010年にファンクラブに加入して以来、彼らを応援し続けている。コンサートにも毎年参戦していて、今年もコンサートツアー『関ジャニ’sエイターテインメント』福岡公演に参戦した。
ここでは、精神障害者でありながら、関ジャニ∞のファン…通称『エイター』である私の、コンサート参戦記録を記しておこうと思う。
エイターへの入り口
私がエイターになるきっかけとなったのは『ひみつの嵐ちゃん』という番組の1コーナーであった『マネキンファイブ』に、関ジャニ∞がゲストとして参戦したことである。
コーナーの内容としては、嵐やゲスト自身がマネキンに扮し、ファッションセンスを競い合うというものだ。この放送があった2010年当時の私は体調を崩したばかりで、自分の意識をはっきりと保つことも上手くできず、ただ鬱々とした日々を送っていた。
そんな中、たまたま録画をしていたこの番組に登場をした彼らを見て、私は笑った。個性的で、トークも面白く、中には突飛なファッションで笑いを誘うメンバーもいる。そうして、久々に心から笑った私の中に、関ジャニ∞は気になる存在として刻み込まれたのだ。
それからの私の行動は早かった。CDショップで彼らのニューアルバムや、ライブDVDを購入し、やがてメンバーを生で見たいという思いからファンクラブにも加入した。
当時、私の体調は最悪であったが、彼らの歌声を聴いたり、番組に出演している様子を見ることで、笑い方を忘れずに済んだ。
そして、2011年からはコンサートツアーにも参戦し、私の生活は関ジャニ∞に支えられて成り立つようになったのだ。
コンサートでの緊急事態
こうして、1人のエイターとして毎日を過ごしてきた私だが、2016年のコンサートツアーに参戦した際、問題が発生した。
年初めに公演があったのだが、年末年始で疲労がたまっていた私にとってコンサートに参戦するということは大きな負担となり、なんと公演中に体調を崩してしまったのだ。気分が落ちていく中で、病院で処方された頓服薬を飲もうとしたが、水がない。会場外の通路で水を販売していたことを思い出し、買いに出たが、販売員に声をかけると「もう販売時間を過ぎてしまったので、売ることはできない」と言われてしまったのだ。
そうして私が途方に暮れていると、会場を巡回していた女性スタッフと目があった。
こちらへと歩いてきた彼女に事情を説明すると、すぐに水を買えるように交渉をしてくれたうえに、休憩室を利用するかどうかを尋ねてきたのだ。その心遣いにとても嬉しい気持ちになったが「母が付き添ってきてくれているから大丈夫」と伝え、頓服薬を飲んだ私は、無理をしてはいけないと早めに会場を後にした。
年初めコンサートから新たな一歩を
それから1年。今年の年初めも関ジャニ∞のコンサートが決定し、私もそれに参戦することになった。
もちろん、不安もあった。去年と同じように、体調を崩してしまったらどうするのか。
その不安があるがゆえに、コンサートを楽しみに思う気持ちが塞いでしまったりもしたが、それでも心からコンサートを楽しむことは、私にとって一番良い結果を生むのだと考え、年末のスケジュールにゆとりを持たせたり、開演前、事前に頓服薬を飲むようにすることで、負担を軽減させようと計画した。
たとえ、もしもの事があっても、前回のコンサートで体調を崩してしまったとき、対応してくれた女性スタッフのように、助けてくれる人が必ずいる。そう思えば、少し気持ちが落ち着いた。
そして、コンサート当日。
歓声と共に登場したメンバー。華やかなライブステージ。
私は無事『関ジャニ’sエイターテインメント』福岡公演に参戦し、笑顔で帰路につくことができたのだ。
体調を崩してからというもの、私はずっと、関ジャニ∞に支えられてきたと言っても過言ではない。
病気が私から笑顔を奪おうとする中、関ジャニ∞を見ることで、笑顔や楽しいという気持ちを忘れずにいることができた。
しかし、コンサートツアーに参戦して思うようになったのは、関ジャニ∞のメンバーも、メンバーだけでやってきているという訳ではないということだ。
必ず、それを支えるスタッフがいて、そして関ジャニ∞を応援するファンがいる。
それは当たり前のことのように思えるが、これほどまでに心が温まる関係性があることに私は奇跡を感じるのだ。そうして私はこれからも、1人のエイターとして、彼らを応援し続けるだろう。